共和党「まさかの上下院完全勝利」はあるのか 一部の市場参加者は「トランプラリー」を予想

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ファインスタイン議員の政治キャリアはカーター政権に遡る。米中の正式な国交樹立後、当時サンフランシスコ市長だった彼女は、アメリカの都市で最初に上海と姉妹都市契約を結んだ。その時の上海の実力者が江沢民氏だった(1985年から市長)。もはや、ここからの解説は不要だろう。ヘッジファンドを経営する夫とともに、彼女は江沢民氏と親交を深めた。

彼女のアメリカ政治での躍進は、鄧小平後の中国共産党内での江沢民氏の出世とほとんど同じ歩調をたどっている。そしてクリントン政権における、議会の「対中融和政策」のすべてがファインスタイン議員主導と言われているのだが、最終的には、それが中国のWTO加盟を可能にしたといってもいいだろう(有力政治サイトの参考記事)。

トランプ大統領はどこまで本気なのか?

一方では、グローバルなリベラル社会を目指すユダヤ系穏健派の人々がいることも忘れてはならない(ハリウッドからマスメディア全般)。ファインスタイン議員はこちらの勢力も代弁している。その歴史は1991年、ジョージH.W.ブッシュ大統領が最高裁判事に共和党系黒人判事のクラレンス・トーマス氏を任命し、その際にアニタ・ヒルズ氏という黒人女性が性的被害を訴えた騒動から始まっている。

この騒動は今回のカバノー判事任命の騒動の教科書になった事件だが、当時、数の力でトーマス氏を強引に承認した共和党上院主導の男社会への反動で、翌1992年、まさにクリントン氏が大統領に当選した選挙では5人もの女性上院議員が誕生した。ファインスタイン議員はその中の一人だった。そして今回カバノー判事を告発した女性のC・B・フォード氏を最初に匿ったのがファインスタイン議員である。今回はファインスタイン氏と中国の関係をとりあげたが、中国によるアメリカ政治への介入は、ロシアによる大統領選挙への介入よりもはるかに深刻で、はるかに重大かもしれない。

さて、この後、米中貿易戦争はどうなっていくのだろうか。2日の金曜日には「トランプ大統領が中国と新たなディールの草案を指示した」というニュースも入った(経済政策を担当するラリー・クドロー長官は否定)。これは投票日直前の株価対策としても、もはや中国はiPhoneの売り上げでアップルの収益を支えているのは紛れもない事実だ。また、グーグル(アルファベット)はどうしても中国市場に入りたくて仕方がない。さらに言えば、これから爆発的成長が見込める中国債券市場の格付けに、わざわざ別の基準を持ち込もうという大手格付け機関もある(彼らは発行体から手数料を貰っている)。

米中貿易戦争が騒がれるなか「米中貿易戦争などトランプ大統領の政治のプロレスに過ぎない」と、世界最大級の投資会社であるブラックストーングループのスティーブ・シュワルツマン会長は自信満々だ。今のトランプ大統領の本心はどこにあるのか。シュワルツマン氏の言う通りなのだろうか。次回は中間選挙を横目に見つつ、そこも検証していこう。

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