iPhone「台数は非開示」が示す時代の大転換 アップルが決算時の公表項目を変更するワケ

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アップルが販売台数を公表しなくなった理由は、ビジネスモデルの転換に入ったと考えて良いだろう。すなわち、これまでの40年間、アップルは製品の売り上げが中心の企業だった。

しかも、iMac、iPod、iPhone、iPadの成功によって、差別化要因がない価格競争から抜け出し、アップルをアメリカ初の1兆ドルの時価総額を誇る企業へと押し上げてきた。

現在、iPhoneは年間2億1000万台程度の販売台数を維持しているが、おそらくこれ以上の成長の見込みは薄いと見ていいだろう。ハイエンドモデルが半数以上の状態で、これだけのスマートフォンを作り続けることの限界は、市場の飽和だけでなく、自身の問題もまた露呈する。

これまでは台数追求に伴う矛盾があった

例えば資源の確保だ。アップルは10月30日に発表したMacBook AirやiPad Proに、100%リサイクルのアルミニウムを使っていることを明かした。つまり、鉱山から掘り出さずに、アルミニウムを確保する、ということだ。そうした取り組みを急ぐ様子を見ると、地球環境への責任を持つこととともに、今の資源活用を続けていくビジネスが成り立たなくなるとの見立てもまた、見えてくる。

アップルはiOS 12で、5年前のiPhone 5sもアップデートの対象に加えている。また製品発表の際に「長持ち」という要素を強調するようになった。

製品の買い換え頻度が下がることによって、先述のような資源を消費した新製品への買い換えを減らすことができる。そうした価値感と、ビジネスの指標に販売台数を掲げている点は矛盾していた点は、アップルが環境への取り組みを強化する中で顕著になってきた。

販売台数の追求をやめたことで、この矛盾は解消されることになる。

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