iPhone「台数は非開示」が示す時代の大転換

アップルが決算時の公表項目を変更するワケ

またサービス部門は99億8000万ドルを売り上げ、前年同期比17%増、前期比でも5%の成長だった。この部門には、Apple Music、iCloud、App Storeの売上、AppleCare+保証サービスが含まれる。

Apple Watchなどのウェアラブル製品の部門は前年同期比50%増加しており、また米国のケーブルテレビ会社との提携を進めているApple TVや、新しいホームオーディオHomePodも好調だという。

株価下落の最大の理由は、先行き見通しが弱気だから

それでもアップル株が売られた原因は、販売台数が振るわなかったMacやiPadが原因ではない。投資家が弱気になった理由は、先行き鈍化の見通しと、決算発表の指標変更だ。

アップルは2019年第1四半期(2018年10〜12月)の売上高を、アナリスト予測の930億を上限とした890〜930億ドルとした。つまり、前年同期の883億ドルから増収となるものの、小幅に過ぎないことを示唆した。

アップルは10月26日、2018年モデルのiPhoneの販売の中心と目される廉価版のiPhone XRを発売、続く10月30日にはiPad Pro、MacBook Air、Mac miniの各製品を刷新するイベントを、米国ニューヨークで開催したばかり。これらの新製品はより顧客を惹きつけ、停滞気味だったiPadとMacの売り上げ向上にも寄与することが期待されていた。しかしアップル自身による弱気のガイダンスに対して、市場が失望したと考えられる。

もう1つは、次の決算発表から、発表する数字を変更することがアナウンスされた点だ。iPhone、iPad、Macについては、これまで売上高とともに販売台数を公表してきたが、次の四半期から販売台数の公表をしないと発表したのだ。

とくに重要なのはiPhoneの販売台数公表をやめる点だ。これまでアップルのビジネスの大きな指標となってきたiPhoneの販売台数を公表しないことは、「もうこれ以上、iPhoneの販売台数が増えることはなくなる」というメッセージを伝えることになった。

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