「いい子でいたい」女性が軽んじられるワケ 長年続けると「考えない人」になりかねない

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私がハーバード大学で研究員をしていた1980年代、アメリカでもアサーティブトレーニング(自他を尊重したうえで、自分の伝えたいことを相手に伝える練習)が盛んでした。

私から見ると雄弁でおしゃべりなアメリカ人の女性でさえ、“女らしさのわな”にとらわれて言いたいことが言えない、説得力をもって論理的に話すことができない、と悩んでいたのです。

私もそうした講座に出たことがありますが、一人ひとり大きな声で人前で自分の意見を話す練習を重ねていました。

適切に意見を言うための3つのポイント

では具体的には、どうしたらいいのでしょうか。

まずは感情的にならないことです。感情的な男性も困ったものですが、職場の人はそれに慣れています。ところが感情的になった女性には男性はどう対処してよいか慣れておらず、恐怖を感じると覚えておいてください。冷静に話すことです。我慢に我慢を重ねて最後に爆発するのが最悪です。

次に、相手に通じる論理で話すことです。相手の立場、言い分を理解し、一般に通用する言い方を習得しましょう。自分だけがわかっていても相手に通じません。これはわかっていても実行が難しく、経験がないと初めからはなかなかできませんから、練習が欠かせません。

3つ目は、目的を見失わないことです。何のために具体的な意見や提案をするのか。それが受け入れられることが目的で、軽んじられている自分の悔しさや怒りを表明するためではありませんし、自分の有能さを見せびらかすためでもありません。反対されても意見や提案が受け入れられなかったのであって、自分の能力や人格が否定されたわけではありませんから、傷つく必要はありません。

自分の意見を言えるようになると女性たちは変わります。単なるいい子から、自分で考え、自分で判断し、責任を取るリーダーにふさわしい職業人、社会人になるのです。

坂東 眞理子 昭和女子大学総長

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ばんどう まりこ / Mariko Bando

1946年、富山県生まれ。東京大学卒業後、1969年に総理府(現内閣府)に入省。内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事、在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事などを歴任。2001年、内閣府初代男女共同参画局長を務め、2003年に退官。2004年から昭和女子大学教授、2007年から同大学学長、2014年から理事長、2016年から総長を務める。著書に330万を超える大ベストセラーになった『女性の品格』ほか多数。

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