「怒りをぶつけてくる人」に怒ってはいけない イライラしたら間をおくようにしよう

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ただし、このような手順でメールのやり取りをしていても、どうにも相手の怒りがおさまらない、どこか感情が行き違っていると感じる場合には、思い切って電話をしてみるというのも一つの手です。

「このたびは、どうもすみませんでした」などと、こちらが丁寧に出るうちに、相手も「いや、こちらこそ、どうもすみません」と、つられて怒りがおさまる可能性があります。

つまり、感情の共有をすることで"ガス抜き"をするわけです。この場合、「どうも」という日本語は、感情の共有に絶大な効果を発揮します。

相手のタイプを見極める

文面では激しい怒りをぶつけてくる相手でも、電話になると"そうでもない"というケースもたびたび見られます。

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不思議とメールでの攻撃性が減って、笑い声すらあげるような人がいるのです。このようなタイプの方は、会って話すとさらに態度が軟化する傾向にあります。

ですから、電話でのリアクションから、どうも相手がこのようなタイプであると判断した場合には、実際に会って「このたびはどうも行き違いがありまして……」などとゆっくりと事実関係をひもといていき、雑談に持ち込むとよいでしょう。

いかにも日本人らしいというのでしょうか。"面と向かって怒り続ける"ことが苦手というわけです。ぜひ、時間をかけて怒りをおさめつつ、やり取りを正しく見極めて、ケースに見合った大人の対応を心掛けてくださいね。

齋藤 孝 明治大学教授

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さいとう たかし / Takashi Saito

明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞。日本語ブームをつくった『声に出して読みたい日本語』(草思社)で毎日出版文化賞特別賞。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。

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