「古いiPhone」の魅力が急上昇している理由 アップルがしてくれた2つのこと
アップルの旧型iPhoneユーザーへの対応がすばらしすぎて、新機種への買い換えなんて考えられない。
筆者は、今年は新型に数百ドルを投じるのをやめて手持ちのiPhone6を使い倒そうと思う。なぜならアップルのおかげで、年季が入っているにもかかわらず私のiPhone6はこれまでになく調子がいいからだ。
アップルが行った2つの「英断」
これは時価総額1兆ドルを誇る企業アップルが採った、これまでにない2つの施策の結果だ。1つは9月に発表された新しい基本ソフト(OS)の「iOS12」だ。最新型のiPhoneの優れた機能を支えるだけでなく、旧型の動作も劇的に改善する。
もう1つは、劣化したiPhoneのバッテリーの交換に安価で応じるとした9カ月前の決断だ。この交換プログラムは今年いっぱい続けられる。これら2つの効果で私の老いぼれiPhoneはすっかり若返り、まだ何年も使えそうな勢いだ。
アップルの経営陣が純粋な親切心からこうした対応を取ったとは思わない。ティム・クックCEOはバッテリー交換プログラムについて「顧客のために行う正しいこと」だと述べたが、古い機種を長く使えるようにすることはまさにこれに当てはまる。だがこれは、一部ユーザーが買い換えを先延ばしにするとしても、長期的には投資家に繁栄をもたらすことにつながる賢いビジネス手法でもある。
アップルは魅力あふれる新製品の価格を引き上げると同時に、価格にうるさい消費者に長く使える信頼性の高い製品を供給して企業イメージを向上させるというビジネス戦略を見つけたのかもしれない。ただしこのような記事が出たせいで大量の買い控えが起きたりしないかぎりだが。
さて私のiPhoneを若返らせ、4年近く前に最初に買った時にはなかった機能を付与した「魔法」とはいったいどんなものなのか。
実のところ、斬新なものは何もない。私の旧型iPhoneが若返り始めたのは2月。割引プログラムのおかげで、劣化しつつあったバッテリーは通常なら79ドル(保証外の場合)のところ、29ドルで交換できた。