100円ショップ「セリア」、強さの秘密

驚異の25期連続増収!今期は最高益

そこで「自律型仮説検証モデル」と呼ぶ、発注支援システムを作り上げた。これは、商品ごとのSPI(Seria Purchase Index)値をベースにして、理想的な商品構成を導き出すものだ。SPI値は、小売業で使われるPI値を、セリアが独自にアレンジした指標。PI値とは、商品が顧客1000人当たりいくつ売れたかを表す。

精緻な経営の仕組みを語る河合常務(撮影:尾形文繁)

セリアは、店舗・商品別と全店ベースのSPI値をリアルタイムに算出し、比較する。

ある商品が特定の店舗で売れていなければ、売り方を工夫することによって、売れる可能性があると判断する。そして、店舗ごとに理想の商品構成をはじき出し、発注業務を指示するのだ。そうした努力をしても売れない場合は、SPI値自体が低下していく。

セリアの営業利益率は8%を超え、日用品小売企業の中では群を抜く。それは「在庫管理を効率化すると同時に、合理的に失敗する」(河合映治常務)という精緻な経営の表れだ。

仮説と検証を繰り返す

一般的な小売業は売れなければ価格を下げて処分するため、商品の売れ行きは需要と価格の関係性で決まる。ただセリアは価格を100円に固定。需要動向の分析を徹底して蓄積し、仮説と検証を繰り返すことで、絶え間なく新たな提案をし続け、売上高を伸ばしながらも失敗を最小限に抑える緻密な経営を実現している。

商品アイテム数は約1万9000、売れ筋商品は消耗雑貨などで、他の100円ショップと大きくは変わらない。しかし、セリアは漫然と商品を並べ続けることはしない。全国約180社の協業メーカーとの共同開発品の売上比率を9割に高める中で、毎月500~600点を入れ替えることで、集客力を引き上げる。

たとえば、滑って遊ぶためのそり。一見、冬にしか売れないと思われるが、データを検証して春の方が、草原などで使われるケースが多いと分かれば、店頭から決して在庫を切らさない。

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