アジアで爆速!J1「アルビ新潟」の敏腕経営

売り上げ4倍、黒字経営!アルビレックスの自己改革

改革1 「サッカーが強い、だけじゃないクラブ作り」

ふたつ返事でアルビSのチェアマンを引き受けた是永氏だったが、実はチームが撤退寸前にまで及んでいたことは、まったく聞かされていなかった。さらにシンガポールに赴任して感じたのは、周囲からの「飽き」。クラブ設立から5年ほどがすでに経ち、クラブに対する期待感も薄まっていた。

是永氏が行った改革のひとつは、アルビSが存在する理由を再定義したことだった。このクラブを、世界に羽ばたくサッカー選手を輩出するチームとし、サッカーのトレーニングだけでなく、他国のチームに移籍してもコミュニケーションを取れるよう英語教育に力を入れた。

結果、これまで50人以上の選手を、日本を含む他国のリーグや教育機関などにサッカー従事者として輩出。中には、インドネシアのリーグで年間手取り2000万~3000万円の報酬、さらに住居、税金、食事などをすべてクラブが負担するVIP待遇の選手も。日本なら代表チームに所属する選手並みの待遇だ。まさに、アジアンドリームを具現化してきた。

是永氏が再定義したクラブが存在する理由の背景には、日本への強烈な危機意識がある。「高齢化と人口の減少が進行し、国全体がダウントレンドになっていく中で、今の若い世代が経済的にさらに成長していくためには、海外から稼ぐしかない。すると、海外と接する機会は増える。そのときに巻き込まれるのではなく、巻き込む側になれる若い人を育てたい」

是永氏が口を酸っぱくして選手に伝えていることがある。

「FIFAに加盟する国や地域は、国連に加盟するそれよりも多い。それはつまり、“サッカー”が世界共通の言語であるということ。ならば、サッカーは国境を超えて勝負するにはいい手段。そうやって卒業生が世界に散らばっていけば、日本人のよさが伝わっていくし、また、その経験を次の世代にも引き継いでいける。私はサッカーが強いだけのチームを作ることには興味がない」(是永氏)。

この言葉は、シンガポールに進出するスポンサー企業の共感を得ることにもつながった。

プレーする選手たち。オレンジがホーム戦でのユニフォーム 1ページ目写真の白のユニフォームはアウェー戦
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