アジアで爆速!J1「アルビ新潟」の敏腕経営 売り上げ4倍、黒字経営!アルビレックスの自己改革

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しかし、1994年にシンガポールの代表チームが同リーグで22回目の優勝を果たした翌年、マレーシア人の反感からか八百長疑惑が噴出。シンガポールの代表チームはリーグから締め出され、自国でのサッカーリーグ設立を余儀なくされた。

アルビSのホームスタジアム「ジュロン・イースト・スタジアム」

そして、1996年にSリーグが創立。したはいいものの、フタを開けてみれば観客動員は今ひとつ。国技だったはずが、当初は不発に終わる。Sリーグは、この原因が「ナショナリズム」にあると考えた。マレーシアリーグに参加していた頃は、自国のチームを応援しようと盛り上がっていたのではないか、と。

そこで海外のクラブチームを誘致し、シンガポール人のナショナリズムを刺激する策に出た。このとき参加したのが、韓国から「コリアン・スーパーレッズ」、中国から「大連実徳」、そして日本からは「アルビS」。こうして、アルビSがSリーグに参加することになった。

チームは優勝を争うまでに。大手スポンサーも続々

アルビSは、選手、監督、コーチが全員日本人で構成されている。是永氏いわく、Sリーグのレベルは日本のJ2(Jリーグの2部リーグ)とJFL(日本フットボールリーグ)の間。そこでアルビSは今シーズン、クラブ史上最高位の2位争いを繰り広げた。

ホームスタジアムはシンガポール西部にあるジュロン・イースト・スタジアム。1998年に建設された、国内唯一の天然芝サッカー専用のスタジアムだ。観客動員数は全12クラブのうち、2位の1試合平均1835人。観客の70%は日本人以外で、現地で暮らすサポーターも多い。

クラブのメインスポンサーはキヤノン。ほかにも三菱商事やキッコーマン、リクルート、キリンなど、国際貢献やシンガポール人を対象として宣伝を行いたい日系企業たちがスポンサーとして名を連ねる。現在の売り上げ規模はおよそ5億円。是永氏の就任前と比べると4倍にも上り、以来、黒字経営を続けている。

実はこれまで、アルビSの経営はずっとうまくいっていたわけではない。一度は撤退を考えていたほどだ。是永氏が就任する前、アルビSは新潟の若手育成を目的として運営していた。当時J2に参加していた新潟が、試合に出られない若手をシンガポールで育て、日本に戻すことを狙っていたのだ。

しかし、そうはならなかった。日本のJリーグとのレベルの差がある中で、育成には限界があった。時を同じくして、日本では新潟がJ1に昇格。アルビSが存在する理由がもはや見えなくなり、資金ばかりが出ていく一方。そんなとき、当時、日本でサッカー関係の媒体に従事していた是永氏と新潟とが出会った。

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