国内ではJリーグクラブチームの経営難が取りざたされる中、「アルビレックス新潟」の下部組織がシンガポールを拠点に競技、そしてビジネスとして好調だ。今年初にはバルセロナでもチームを創立、来年年明けにはカンボジア・プノンペンにも進出する。しかし、チームは一時、撤退寸前にまで追い込まれていたことも。就任以来、売り上げ4倍、黒字経営を続けるチェアマンが行った改革とは――。
Jリーグに参加する一部のクラブチームがスポンサー収入の大幅な減少などで経営難に陥る一方で、海外での事業を積極的に展開している日本発のチームがいる。シンガポールのサッカーリーグ「Sリーグ」に参加する、「アルビレックス新潟・シンガポール」(以下、アルビS)だ。
アルビSは、Jリーグの1部リーグ(J1)に参加する「アルビレックス新潟」(以下、新潟)の下部組織として2004年1月に設立。設立当初は、新潟からの資金援助を受けていたが、現チェアマン兼CEOの是永大輔氏が就任してからは、独立採算制の下、運営が行われている。
クラブ創立、発端はSリーグによる海外誘致
あまり知られていないが、シンガポールの国技はサッカーである。Sリーグの創立は1996年。日本のJリーグの開幕が1993年だったことと比べても、その歴史は決して浅くはない。さらにさかのぼれば、Sリーグが創立されるまでシンガポールの代表チームはマレーシアのリーグに参加し、何度も優勝を重ねていた。
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