60歳「生涯一女ロッカー」のブレない生き様 ジョーン・ジェットはやっぱりカッコいい
――クラブは女性スターを想定して建てられていないため、女性アーティストはいまだに男性用便器を使わざるをえないことがある。
ジェット:ああ、私はカップに慣れてるから。楽屋にカップを持ち込むの。早くて簡単、どこかに行く必要もないし。試してみて! ソロ・カップよ。何かを飲むときはソロ・カップをチェックしてからにしてね(笑)。
「チェリー・ボム」が生まれた日
――曲を書くことで、初めの頃に感じたのと同じような喜びを感じる?
ジェット:間違いなく感じる。でも、それよりも何も思い浮かばない不安のほうがある。座りたくないのは、座ったら何かを思いつかなきゃいけないから。私の人生でたぶん5回は、座っていたら曲が浮かんだことがある。アイデア、メロディ、リフがね。それらはギフト。でも基本的には自分自身を促さなくちゃいけない。やるべきことだから。座ってこんなふうに思うの。ばかげてる、こんなの誰も聴かないって。そうやって始まる。
――ランナウェイズの「チェリー・ボム」はすぐにできた曲の1つ?
ジェット:(ボーカルの)シェリー・カーリーがオーディションに来たとき、歌う歌がなかった。だからキム(・フォーリー、バンドのマネジャーでプロデューサー)が、君に曲を書くよって言ったの。キムと別の部屋に移動すると、彼が私に何かリフを弾いてって。私は即興で「チェリー・ボム」のリフを弾くと、彼がコーラスを歌い出した。「hello Daddy, hello Mom」って。
20〜25分くらいだったかな、私たちは戻って「これを歌って」と伝えた。そんなクリエーティブなプロセスを体験できたのはすばらしかった。1人の人のためにその場で生まれた。でも彼女は私たちみんなの代表で、あの曲が必ずしもシェリーのことを表しているわけじゃなかった。すべての女の子を表現しようとした。
――キム・フォーリーはあなたのキャリアをスタートさせた。2015年に亡くなった後、ランナウェイズの元ベーシストが彼にレイプされたと告発したが、こうした告発があったことで、彼に対してや、あなたの人生における彼の存在について考えが変化した?