60歳「生涯一女ロッカー」のブレない生き様 ジョーン・ジェットはやっぱりカッコいい

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言い争いもする2人だが、そこには愛情がある。ジェットは一時期、ロングアイランドでラグナと彼の家族と同居し、育児も手伝っていた。ラグナの娘のキャリアン・ブリンクマンは現在、ブラックハーツ・レコードのバイスプレジデントで、映画は彼女のアイデアだ。

ロングアイランドにあるラグナの自宅で行われたインタビューで、ジェットはいつも持ち歩いているガム(オービットのバブルミント味だ)の包みを開け、テラスに座りながら、自身が抱える不安、セクシャリティ、そしてかつてチャック・ベリーを殴った理由を語った。

女性はもっと権限のある地位に就くべき

ジョーン・ジェット(以下、ジェット):まず言っておきたいのは、こんなふうに自分のことを話すのは妙なものなの。世界の中での自分の立ち位置を評価するのはいつも気まずい。ある意味、私はすごくシャイ。

――だとしたら、ドキュメンタリー映画を撮ることについてあなたを説得したのは誰?

女性であることを理由にバンドの評価が厳しかった現実は、今もそう変わらない(写真:Caroline Tompkins/The New York Times)

ジェット:キャリアンよ。私が彼女と出会ったのは彼女が生後3カ月のとき。彼女は私たちとツアーを回りながら育ったの。それが私の中で何かが弾ける助けになったと思う。私の心を少しだけ開かせた。(ラグナ一家は)より強い気持ちにさせてくれた。

――ランナウェイズに対しては女性であることを理由に評価が厳しかったのは有名で、ブラックハーツも最初はいくつものレーベルから拒否された。こうした初期の否定された経験は今もあなたにつきまとっている?

ジェット:間違いなく。これまでさほど変化はしていないと思う。配信(サービス)でも決定権を持っているのはほとんど男性でしょう。それが選曲に反映するわけではないけど、実際にそうなっている。資金を管理する決定権のあるポジションにもっと女性を置くべき。女性にそうした権限を与えないのだとしたら、女性はどんな権限を持つというの?

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