「跡取りの出産が結婚条件」という理不尽重圧 結婚前に真摯に話し合うべき

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結婚は筋書きのないドラマです。あなたがもし、子どもさんを2人以上産んだとして、その子どもさんたちが全員医師になる可能性は十分にあります。しかし子どもさんたちが誰一人、医師向きでない可能性も十分にあります。しかも、健康な人同士の結婚でも、子どもに恵まれない場合だって、想定に入れなければなりません。

どのような状況になっても彼とあなたのお互いの愛情や信頼心に揺るぎはないか、または医者になる子を産み育てるのが絶対前提なのか、これを確認する必要があります。

条件が先行する結婚は失敗する

繰り返しますが、人生は筋書きどおりには進みません。「不真面目」が引き起こした転職や失業で夫婦関係が険悪化するのは致し方ないとして、そうでない場合の夫の失業や転職で夫婦関係が壊れた例を、私はたくさん見てきました。

ほかには子どもができなかったとか子どもの成績が悪いのをすべて妻のせいにして揉めたり、お互いの実家家族が原因で仲たがいする夫婦も珍しくありません。逆境の連続でも支え合う夫婦をたくさん見てきた私には、それらはとても打算的な結婚に見えます。

私の恩師(女性)は、有名な宗教の教祖の跡取り息子と恋愛結婚しました。わが恩師にとっては、産んだ子どもがいずれ教祖を継ぐ運命にあることは結婚の最大のネックでしたが、彼の魅力には勝てなかったそうです。ところが彼女の夫は結婚後数年でその教団から離れ、警察官になりました。彼女は「警察官の子どもなら喜んで産める」とうれしかったそうですが、結局、その恩師夫婦にコウノトリはやってきませんでした。

職業や子どもをもうけることが第一条件の結婚でしたら波風が何度も立ったところですが、お二人のお互いへの敬愛心は、筋書きになかった状況変化で、むしろ絆を深めておられたように感じました。

ひどい話ではパリ赴任中の男性と知り合い結婚した女性が、夫の東京帰任が決まるや、たちまち離婚したという例です。これは「パリと結婚」した人だったのですね。

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