ヒットが出ない!「スマホゲーム」業界の憂鬱 主要企業で減益・赤字が相次ぐ深刻な理由
だが直近1年は、新作の不発が目立つ。昨年7月以降に配信が始まった日系タイトルのうち、トップ30にランクインしたのはわずか2つだった。コロプラの馬場功淳社長は8月初旬の決算会見で、「当社も他社も新規タイトルが当初の期待に届かないか、届いても長続きしなくなっている」としたうえで、「ユーザーの遊ぶ時間が既存タイトルに取られ、新規タイトルに回っていないという理由もあるが、主因はわれわれが新しい遊びを提案できていないことではないか」と分析している。
PCゲームで台頭した中韓企業が攻勢
日本企業が苦戦する中で勢いづいているのが、海外企業だ。昨年7月以降の1年間で配信され、今年7月時点でトップ30入りした6タイトルのうち、4つは中国や韓国の企業が手掛けたものだ。
家庭用ゲーム機が普及した日本と違い、中国と韓国のゲーム文化はPCオンラインゲームを中心に発達してきた。スマホの性能が進化しPCゲームに近いクオリティのゲームを遊べるようになったことで、大型タイトルをグローバル展開する動きが強まっている。
たとえば、2017年8月に韓国のネットマーブルが配信した多人数参加型RPG『リネージュ2 レボリューション』は、人気PCゲーム『リネージュ』シリーズのスマホ版。同年11月に中国ネットイースがリリースしたシューティングゲーム『荒野行動』は、昨年からPCゲームを中心に人気が高まっている、多人数が1つのフィールドで戦う「バトルロイヤル」と呼ばれるジャンルをスマホゲームで実現した。
さらに、動画サイトを運営する中国ビリビリの子会社が開発した『アズールレーン』(日本ではヨースターが配信)は、日本アニメ風のキャラクターが高く評価されたことで日本国内でもヒット。日本文化を取り入れた人気ゲームも出てきている。ある国内大手ゲーム会社幹部は「結局のところ、日本企業は新しい遊びを提供できず、中韓企業はできた。その結果だろう」と話す。
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