ヒットが出ない!「スマホゲーム」業界の憂鬱 主要企業で減益・赤字が相次ぐ深刻な理由

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スマホゲームが苦戦する背景には、市場が成熟したことがある。2012年に話題となった『パズドラ』の空前の大ヒットから約6年半が経過。右肩上がりで1兆円規模に成長したスマホゲーム市場の成長は鈍化傾向にある。新作のヒットが出にくくなり、開発コストは右肩上がりで上昇。結果、各社のスマホゲーム事業の採算が悪化しているのだ。

四半期ごとの国内ゲームアプリ消費額を見ると、2018年4~6月は3410億円。前年同期比約7%増と成長は続いているが、10%を軽く超える成長率を示していた数年前と比較すれば、勢いは落ち着きつつある。

直近1年間の消費総額は約1兆4000億円。単純計算で日本人1人当たり年間1万円以上消費していることになる。スマホ自体の普及もおおむね一巡した。今後の成長に対する懸念は高まっている。

個別タイトル同士の競争も激しさを増している。今年7月時点の国内スマホゲーム売り上げランキングのトップ30を配信日順に並べると、スマホゲーム市場が立ち上がって以降の大まかな傾向が見て取れる。

黎明期となる2012年から数年は『パズドラ』を皮切りに、ミクシィの『モンスターストライク』、コロプラの『白猫プロジェクト』など、新興企業からヒットタイトルが続出。いわゆる「ガラケー」向けソーシャルゲームからスマホ向けへの転換にいち早く成功したベンチャー企業が躍進した。

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