つまり、何が言いたいかというと、レバレッジが効いていない今の金融システムは危機に陥るようなものでもないし、規模もずっと小さくなっており、もうウォールストリートの時代は終わっているのです。
一方、こんなデータも載せており、こちらでもご紹介しておきます。
リーマンショックよりも前の2006年のアメリカ企業の時価総額ベスト5と、2017年の同ベスト5を並べて見たものです。
2006年のベスト5は以下です。
2. GE
3. マイクロソフト
4. シティグループ
5. バンクオブアメリカ
では2017年はどうなったでしょうか。
2. アルファベット(グーグル)
3. マイクロソフト
4. アマゾン
5. フェイスブック
となっています。2018年になるとアマゾンがマイクロソフトを抜いており、ご存じのとおり、首位のアップルの時価総額はすでに1兆ドルを突破。アマゾンも一時1兆ドルに乗せましたし、アルファベットも8000億ドル台で、「もう一息」です。なお直近の5位はバークシャー・ハサウェイです(9月末現在)。
「ニュートップ5」の集める富と情報量が「半端ない」
この違いを見れば、もうリーマンショックのような金融危機が起きようがないことは一目瞭然です。ウォールストリートの会社が今から潰れても、最早ベスト5に1社もいませんし、最も順位の高いJPモルガンでも時価総額で見ればフェイスブックよりもすでに小さい。レバレッジ不在も含めて、金融危機自体が起きない時代になっている、ということです。
では、問題はないのでしょうか。結論から言うと、問題はそんなところにはないのです。強いて言うならばこの「ニュートップ5」の連中の集める富と情報量が途方もなく大きくなり、危機どころではなく、「もはや革命が起きかねないところまできている」という、社会構造の根本的な変化が起きているということです。
たとえば……10年前のアメリカトップ5の企業で、実際日本の皆さんの生活に関連があったのは恐らくマイクロソフトだけでしょう。ここはワード、エクセルなどで今でもおなじみですね。
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