ロンボク地震、被災者救援が進まぬ深刻理由 インドネシア政府が「国家災害」に認定せず

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地震発生後に現地入りしたデンパサール日本総領事館関係者によると、被害が甚大だったロンボク島北部に入って緊急援助活動をしようとした日本のNGO団体「ピース・ウィンズ・ジャパン」は、インドネシア側の最終的な許可を得られず、帰国せざるをえなかった。

また、日本の国際協力機構(JICA)の専門家は、地元州政府の暗黙の了解のもとで現地の被害状況を調査していた。その際、たまたま被災地で遭遇した国家防災庁(BNPB)幹部から「(JICAのロゴの入った)ジャケットを脱ぐように」と言われたという。

地震発生直後から現地入りして被災状況や在留邦人の安否確認に当たっていた日本大使館関係者は、西ヌサトゥンガラ州地方防災庁(BPBD)のモハマド・ラム長官らに対して「日本政府はインドネシア政府に対して全面的な支援を行う用意があるので、ニーズについて教えてほしい」と伝えて緊急援助に日本が前向きであるとの意向を伝えた。

モハマド長官はこれに対し「日本の申し出に感謝する。政府で国際援助の受け入れ先になる国家防災庁(BNPB)長官に日本の申し出を報告する」と現地政府としては歓迎する意向を示していた。

国際援助を完全にシャットアウト

ところが態度を明確にせずに現地を混乱させていた政府は8月21日に最終的にジョコ・ウィドド大統領の決定としてロンボク地震を「国家災害」に指定しないことを決めた。これにより国際社会からの援助、支援を受け付けないことが最終的に確定した。

現場レベルでは国際社会の援助や支援を望んでいたため、暗黙裡でひそかに支援受け入れを続けてきた。ところが、この政府の最終的な決定によって国際社会からの援助は完全にシャットアウトされることになった。

2019年4月の大統領選で再選を目指す現職のジョコ・ウィドド大統領が所属する与党「闘争民主党(PDIP)」にとってロンボク島の西隣のバリ島は牙城ともいうべき盤石な地盤である。このバリ島は「神々の島」として世界中からの観光客を引きつけるインドネシア随一の観光地であり、観光産業が地元を支えている。

そのバリ島も2017年11月にアグン山(標高3014メートル)が噴火して外国人観光客の足となる国際空港が一時閉鎖されるなど観光産業が打撃を受ける深刻な影響を受けた。

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