夫の育児参加に必要な、職場における2つのKY 共働き社会で変化した「女」と変化のない「男」

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もちろん、男性が家事育児に協力することは、「夫も家事育児しろ」というだけではありません。マネープランの観点からもいくつかの大きな意義があります。

『共働き夫婦 お金の教科書 ―2人で働き続ければ生涯6億円が得られる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

たとえば、

1.女性の働く意欲を高める……「自分だけ家事育児を背負わされている」と感じている状態では女性の仕事のやる気は増えません。むしろ時短勤務をずっと継続することになるでしょう。

2.女性の生涯賃金を増やす……男性が家事育児に参加することで女性の労働時間が増やせれば、これは確実に家庭の年収増になります。男性が年収を今より10%増やすことはそう簡単ではありませんが、女性が時短勤務をフルタイム勤務にすればそれだけで年収は10%増やせる(かつての年収に近づく)ことになります。生涯賃金で考えれば数千万円もの違いになります。

老後の経済的余裕にもつながる

3.女性の退職金、厚生年金額を増やす……そして最後にインパクトがあるのは退職金と厚生年金です。長い老後の固定収入として女性も厚生年金をもらうことで専業主婦と比べて年100万円ほどの差がつけばこれは2000万円以上の価値がありますし、正社員として退職金をもらうことができれば、これまたパートや派遣にはない大きな財産をもって老後を暮らせることになります。

共働きはつらいことばかりではありません。むしろ人生の最後、100年時代の老後を笑って過ごせるのは共働き正社員夫婦だと思います。

ワンオペ育児に苦労している女性も、家事育児の負担が十分ではない男性も、それを理解できれば、家事や家計の負担の見直しに前向きになれるのではないでしょうか(特に男性の頑張りに期待したいところです)。

山崎 俊輔 フィナンシャル・ウィズダム 代表 ファイナンシャルプランナー

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やまさき・しゅんすけ / Syunsuke Yamasaki

1972年生まれ。中央大学法学部卒業。企業年金研究所やFP総研を経て2001年独立。全国紙などで連載。著書に『普通の会社員でもできる日本版FIRE超入門』など。

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