夫の育児参加に必要な、職場における2つのKY 共働き社会で変化した「女」と変化のない「男」
団塊世代が経済を支えいていた1970~1980年代、家庭のロールモデルは「専業主婦+会社員の夫」というものでした。実際、共働き夫婦と片働き夫婦(どちらかが働き、どちらかが専業主婦(夫)となる)の割合はおよそ「2:1」で片働き夫婦のほうが多かったものです。
しかしこの割合、平成に入ったころにはほぼ「1:1」まで変化していました。平成の最初の10年間ほどは拮抗した期間が続きましたが、2000年代以降、共働き夫婦の数と片働き夫婦の数の差が開き始め、今ではなんと「1:2」つまり共働き夫婦の数が片働き夫婦の数の約2倍にまで拡大しています。
長い歴史では共働きが普通
専業主婦モデルというのは、長い歴史をみれば伝統的なものではありません。歴史的には職住が離れた大正・昭和初期に首都圏で誕生し、戦後普及した「一時的」な仕事と家事の家庭内分担スタイルにすぎません。農作を営む地方が昔からそうであるように、共働きというのは珍しいものではなかったのです。
また、江戸時代の男性はかなりのイクメンでした。明治初期の日本人の生活シーンを記録したイザベラ・バードの紀行文では、子育てに時間をしっかり割いている男性の姿が英国人の目から驚きとして取り上げられています。
考えてみると、共働き世帯の増加は、男女雇用機会均等法が成立(1985年)、女性差別が完全に禁じられた改正(1999年)の流れと軌を一にしています。そして、女性も男性と同等のチャンスを手にして働ける社会が名実ともに実現したのが「共働き夫婦2:片働き夫婦1」という数字なのです。
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