夫の育児参加に必要な、職場における2つのKY 共働き社会で変化した「女」と変化のない「男」
男性は「共働きの時代なのに、共家事と共育児はしない」ことにより、「ラク」をしているわけです。妻は定時退社でダッシュしても夫は帰宅時間をそこから決め、のんびりLINEで「今日はオレ、メシいらないよ」などと連絡していたりします。
男性の年収が妻の2倍以上ならともかく、夫婦の年収対比は拮抗しつつあります。少し前の調査になりますが、明治安田生活福祉研究所「第4回結婚・出産に関する調査」(2008年)では、世帯年収に占める妻の年収は平均して38%としています。実は夫は平均4割くらいは家事育児も負担するべきなのが「共働き時代の家事育児シェア」なのです。
年収対比で家事育児を考えてみましょう。たとえば、「夫550万円、妻450万円」のように夫婦の年収が拮抗しているとしたら、家事育児分担は45%でもいいわけです。(しかも、差がつく要因は能力ではなく家事育児のため時短勤務をしているせいかもしれない)。
もし、前述のアンケート調査のとおり、多くの夫が家事や育児を1割くらいしかやっていないとしたら、それがまさに「時代錯誤」なのです。
現状打破に必要な、2つの「KY」
しかし、会社の空気や男の思い込みはなかなか変わらないのも正直なところでしょう。
もしかすると、今世の中で取り組みが進む「働き方改革」の流れは、「共働き社会の完成」の最後のキーワードなのかもしれません。
キーワードは2つです。男性が「定時退社を増やす」ことと「有休取得を増やす」ことで、共働きが本当の意味で実現することになるのです。
これは本人の心掛けだけでは成立しません。むしろ「上司」や「職場」が意識を変えていく必要があります。たとえば、
「男は定時に会社を抜け出せないものだ(子育て中の女性社員はともかく)」
「男は半休や時間休を取って子どものために休むものではない(子育て中の女性社員はともかく)」
「定時を過ぎてからが、男の仕事の本領である(子育て中の女性社員はともかく)」
というような考え方そのものを一つひとつ変えていくことがスタートです。本人はもちろん、自分はイクメンしなかった上司も、会社全体として「共働き社会の働き方」にシフトしていくことが必要です。
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