新Apple Watchが遂げた驚異的進化の全貌 今回はiPhoneよりこっちのほうが驚きだった

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身内の介護に携わったことがある方なら経験があるかもしれないが、転んだことを「怒られる」と思って言わなかったり、心電図や転倒検出器、補聴器といった専用のデバイスを身につけることを拒むケースがよくある。しかしスマートウォッチであれば、見た目も時計そのもので、操作も簡単だ。

アップルは転倒検出の機能については、特別な操作を必要とせず、Apple Watch Series 4を身につけているだけで自動的に検出する仕組みとした。特に転倒はアメリカでも、一般に65歳以上の高齢者に増えてくるとされているが、特別な機器を使っている感覚をなくし、自然に検出できる仕組みにするよう、チャレンジを繰り返したのだ。

そして、システムレベルでの自動検出を組み込むことができた。デバイスとソフトウエアをともに開発するアップルならではの結果、と言えるだろう。

Apple WatchがiPhoneを使う理由になる

このチャレンジは、Apple Watchにとって、非常に重要なターニングポイントを作り出すかもしれない。これまでフィットネス、コミュニケーションにフォーカスをおいてきたApple Watchの新たなカテゴリーとして「ヘルスケア」の充実が決定的となったからだ。

画面サイズが大きくなったApple Watch Series 4(筆者撮影)

前述の通り、Apple Watch Series 4を使うためには、iPhoneを利用しなければならない。本人が買うだけでなく、子どもに勧められるパターンによって、iPhoneに興味を持つユーザー層が家族や夫婦単位で拡大していく可能性もあるだろう。少なくとも、既存のユーザーがiPhone以外に乗り換える理由を失わせることになる。

個人的には、今回のプレゼンテーションで転倒検出機能と心電図機能が披露された瞬間が、長期的な目線で大きなインパクトを与える大きな山場だったのではないか、と振り返ることができる。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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