タクシーの「相乗りマッチング」は浸透するか 新アプリ「ニアミー」割安だが普及には課題も

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相乗りすることでタクシーに割安に乗れるスマホアプリが今年6月に登場した。終電や終バスを逃した深夜に活用できそうだ(記者撮影)

金曜の夜、飲み会に参加して終電を逃し、タクシーを拾おうにもざっと100人の行列ができていた。乗れるまで何分かかるか。このような経験をした人は多いだろう。そんなとき、同じ方面に向かう人と相乗りすることで、料金が3割安くなるサービスがあったらどうだろうか。相乗りを希望する人が多ければ、早くタクシーにも乗れ、利用者にとってのメリットは大きいはず。

単独乗車よりも10%以上安くなる

実は首都圏ではすでにこのサービスが始まっている。スタートアップ企業の「NearMe.(ニアミー)」はスマートフォン向けに2組をマッチングするタクシーの相乗りアプリの提供を6月に始めた。使い方はシンプルでクレジットカードであらかじめ利用登録。目的地を入力すると、現在の位置情報を基に800メートル圏内で目的地が近い人を探し出す。アプリのプログラムの計算で、利用者が単独でタクシーに乗る場合に比べて10%程度以上割り引かれる場合にマッチングが成立する。平均30%ほど安くなるようだ。

「nearMe.」でマッチングされた人とアプリ上で連絡を取り合う(記者撮影)

ある9月の雨の平日、早速記者がニアミーを体験してみた。出発地は日本橋、目的地を新宿に指定する。予約機能を使い、20:00~21:00に乗れるように設定すると、東京駅付近にいる新宿駅に向かいたい男性が見つかった。ちなみにマッチングが成功したのは、約1カ月間試し続けて初めてだった。9月4日に予約機能が追加されたことで、マッチングしやすくなったようだ。

アプリのメッセージ機能を使い、地図でお互いの場所を確認し、徒歩5分くらいの距離を歩いてきてもらった。アプリの通話機能で電話ができたので、スムーズに落ち合えた。現れたのは、IT関係の仕事柄、最新のアプリを日々試しているという30代男性S氏だ。これから新宿で予定されている飲み会に向かうという。電車がまだ走っている時間だが、雨が降っているのでニアミーで予約をしておいたそうだ。

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