夜明け前に終わった「日本の民泊産業」の末路 日本の観光業界とAirbnbという最悪コンビ

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増える外国人観光客にどう対処していくのか(撮影:今井康一)

日本の民泊産業は夜が明ける前に、終わってしまったと言っても過言ではない。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めた『恐竜大行進』は、恐竜とUFOの出会いが描かれたアニメーション映画作品だが、日本の観光業界と米Airbnb(エアビーアンドビー)との出会いを語るのに、なんともぴったりくる作品ではないだろうか。

「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が施行されてから約1カ月。日本でも民泊の雄になると期待されていたエアビーだが、実際は微妙だ。それどころか、新法施行2週間前、観光庁はエアビーに対し、新法に基づく届出のない部屋の予約をキャンセルするよう要請。これにより「違法民泊」がエアビーのサイトから大量削除され、多くの観光客が混乱する事態となった。報道によると、新法施行前は日本には約6万件ほどの民泊があったが、足元では新法に基づいた民泊数は3451件で、旅館業法に基づいたものは約2万2000件になっている。

エアビーが日本にもたらしたもの

米国発のエアビーアンドビーが日本でサービスを開始したのは2014年のことで、日本の観光史はターニングポイントを迎えていた。2012~2017年の5年間で訪日観光客の数が2000万人増加したのだ。一国が経験した成長の度合いとしては、世界観光機関(UNWTO)始まって以来の大きさである。

これに伴って、民泊という名を得てエアビーの普及も進んだ。今やアジアの若者が荷物をゴロゴロ引いて歩く音もカラスや蝉と同じ環境音のような感覚だ。筆者の外国人の友人の多くはマンションの一部屋を購入し、民泊ビジネスを始めていた。民泊は日本に住む人が簡単に収入を増やせる手段だったし、一般の日本人にしても、自宅を他人に開放するという、これまでやらなかったことがやれる手段だった。

大手メディアで働く、筆者の近所の日本人女性はこう話す。「ホストになったことで私も夫も新しい人たちに出会うことができ、おカネを貯めて子どもたちの教育費に充てることができた。小さい頃、ホテルを開くのが夢だったので、エアビーがその夢を叶えてくれた」。

エアビーはまた、地方への観光誘致の起爆剤でもあった。へき地にある小さな村のホテルや旅館の場合、1年のうち需要があるのはわずか数週間程度。生き残りは難しい。

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