タクシー運転手の半減がありうる納得のワケ テクノロジーの超進化が変える輸送の未来
自動車の自動運転技術が進展を見せている。
自動運転のレベルは、一般的には「自動ブレーキ」などのレベル1(運転支援)からレベル5(完全自動運転)まで定義されているが、日本でもいま、交通量や天候など運転しやすい状況が整っている場合にドライバー不要で運転できるレベル4(高度自動運転)の公道における実証実験のニュースなどがあちこちで聞かれる。
しかし、「ドライバーを必要としない移動」が実現できるようになれば、これまで私たちがよく使ってきた、タクシーのような移動サービス事業はどうなってしまうのだろうか?
車両数が減少していない日本のタクシー業界
拙著『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』でも詳しく解説しているが、今後のタクシー業界を考える前に、まず現在のタクシー業界がどうなっているのかを整理しておこう。
1989年から2016年にかけてのタクシー・ハイヤーの輸送人員の推移を見ると、多少の凸凹はあるが、景気の上下もほぼ関係なく、右肩下がりである。1989年に約33億人を輸送していたのに対して、2016年は約15億人へ減少している。2016年の輸送人員は、1989年対比で56%も減少していることになる。グラフを見るかぎり、日本ではタクシーやハイヤーを利用して移動する機会は年々減少しているといえる。
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