電力から牛乳まで…「北海道地震」の巨大影響 突然の全域停電、乳製品の生産もストップ
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの各通信会社は、地震の影響による停電や伝送路の故障などの影響で、一部地域で携帯電話や光通信サービスが利用できない、利用しづらい状況が発生していると説明する。各社とも災害用伝言板サービスの提供を始めている。KDDIによれば、「詳細は把握できていないが、土砂災害や倒壊による基地局への影響もありそうだ」という。
NTT東日本も北海道支店管内の一部地域で通信サービスが利用不可になっている。影響規模はアナログ電話約2.4万回線、ひかり電話約1万回線、光アクセスサービス約1.5万回線(午前11時30分現在)。電話線の断線が主要因で、停電影響も一部でている。復旧時期は未定だが、北海道全域に設置されている公衆電話5800台の無料化を実施している。
JRは全線で運転を見合わせ
JR北海道は全道で在来線、新幹線ともに運転を見合わせ中。運転再開のメドは立っていない。北海道新幹線は新青森ー新函館北斗間で始発から運転できず、終日上下あわせて26本の運休を決めている。
震源に近かった新千歳空港は6日の終日閉鎖を決めた。ターミナルビルの天井の崩落やスプリンクラーの配管からの水漏れが発生したほか、電力が足りないためだ。ただ、滑走路や誘導路、保安設備、通信設備には異常は見つかっていないという。
女満別空港も14時より電力不足により閉館となった。一連の地震の影響を受け、日本航空は国内線104便(影響旅客数1万8520名)、全日本空輸も国内線132便(同2万4400名)の欠航を決めている。新千歳、女満別以外の空港はおおむね平常通り運航している。
生産工場にも影響が出ている。主にトランスミッションを製造するトヨタ自動車北海道(苫小牧市)は操業中に地震があり停電したため、操業を停止。日中の操業も取りやめた。
人的被害はなく、現在、建物や設備への被害状況を確認している。社員は自宅待機中。電力の復旧状況や部品の供給網の状況を踏まえて、再開できるか判断することになるが、現時点で再開時期のメドは立っていない。
変速機やエンジン向けのアルミ部品を製造するアイシン精機の子会社、アイシン北海道(苫小牧市)も操業中に地震があり停電したため、操業を停止。69名の従業員にケガなどはなかった。日中の操業も取りやめている。従業員は管理職以外を帰宅させた。現時点で大きな被害の情報はない。