独自マップ!全731「災害拠点病院」はここだ 来るべき災害に備える「医療体制」の最新事情

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DMATの西日本拠点である兵庫県災害医療センターの中山伸一センター長によると、重症傷病者の救命だけにとどまらず、現地の病院支援をはじめとしたロジスティクスや、医療活動を円滑に進めるための情報収集も欠かせないという。中山センター長はこう話す。

「DMATは災害が起きて最初に動き、現場に入る医療チームです。超急性期の現場で、医療ニーズの確認や必要な医療資機材などの判断を素早く行い、現場に医療体制を確立し、急性期以降の医療を赤十字や地元の医師会などのチームに引き継ぐ。それをモットーとします。つまり、被災地域の医療体制をオーガナイズする、という役割が非常に重要になります」

災害時に活動する医療チームは、DMAT以外にも数多く存在する。

日本医師会による災害医療チーム(JMAT:Japan Medical Association Team)や、精神的なサポートを専門的に行う災害派遣精神医療チーム(DPAT:Disaster Psychiatric Assistance Team)がその代表格だ。DMATが急性期に活動するのに対し、JMATやDPATは急性期後、現地の医療体制がほぼ復旧するまで長期的に医療支援を行う。

このほか、大学病院や日本病院会、全日本病院協会、日本赤十字、日本看護協会など、さまざまな団体が医療チームを有する。

災害医療のカギは情報共有

災害時、重症患者の広域搬送をスムーズに行うため、被災地をはじめ各地の状況を俯瞰的に把握し、DMATなどの医療チームを適正かつ効率よく派遣する必要がある。そこで活躍するのが、広域災害救急医療情報システム(EMIS:Emergency Medical Information System)だ。

EMISは、各地の病院から発信された情報を、行政や自治体、消防、自衛隊などの各関係機関、全国の医療機関と共有するシステムである。阪神・淡路大震災の際、情報共有がされなかったため、医師も医療資機材も豊富な大学病院に患者が少なく、小さな病院に多くの患者が押しかけるといったアンバランスが生まれたことを教訓に構築された。

災害時に医療活動の拠点となるのが災害拠点病院だ。派遣医療チームの受け入れや、被災地の病院支援を担うことを目的とし、各都道府県知事によって指定されている。

災害拠点病院は次のような機能を持つことが条件とされている。

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