ドンキとユニーの共同店が急拡大しない事情 今春に6店開業も、当初の勢いは失速気味?

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5年で100店舗規模を見込むユニーとの共同店舗は、2019年に20店増やす予定だ。共同店舗の出店は、ドンキにとってもメリットが大きい。ユニーが100%出資するUDリテールが運営主体となるため、ドンキは直接的なキャッシュアウトをせずに店舗を拡大できる。主な出店先であるGMSやパチンコの居抜き物件を探す手間も省くことができるうえ、ユニーが得意とする生鮮食品の販売にかかわるノウハウも吸収できる。

足並みをそろえづらい

だが、資本提携後わずか3カ月で6店舗を出店した当初の勢いは、やや失速しているようにも映る。時間がかかっている裏には、ドンキとユニーの社風の違いがあるようだ。実際、大原社長は決算説明会の場で「われわれは変化対応を是とするが、彼ら(ユニー)は変わらないことを是としている」と語った。UDリテールはドンキとユニー双方の出向社員で構成されているため、社風やスピード感の違いがあれば事業はなかなか前進しない。

ドンキホーテホールディングスの大原孝治社長(右)はユニーの改革に強い意欲を示す。左はユニー・ファミリーマートホールディングスの髙柳浩二社長(写真は昨年8月の会見のもの、撮影:今井康一)

長崎屋は株式の大半を取得して連結子会社化したのに対し、ユニーは40%の出資にとどまる。決算期もドンキが6月期決算でユニーは2月期決算と異なり、予算編成を進めるうえで足並みをそろえづらい。ドンキは深夜営業の店舗も多く、共同店舗でも営業時間を延ばす場合はユニーの労働組合などへの説明が必要となる。

「ここまでの(共同店舗の売り上げ拡大の)結果で相当な説得力が生まれている。だんだんと事業を推進することに関して向こうも反対意見を言えなくなってきた」。大原社長はそう強調し、今後も積極出店に向けてユニーとの話し合いを続ける考えを示した。

ただ、ユニー側には東海の名門企業としてのプライドもあり、その社風を一朝一夕に変えることは容易ではない。ドンキ流の改革を一段と推進していくうえでも、出資比率を引き上げる可能性はゼロではなさそうだ。

真城 愛弓 東洋経済 記者

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まき あゆみ / Ayumi Maki

東京都出身。通信社を経て2016年東洋経済新報社入社。建設、不動産、アパレル・専門店などの業界取材を経験。2021年4月よりニュース記事などの編集を担当。

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