服選びで1万人超を変えた女の屈託ない輝き

「自分も他人も」私は装いの力を信じる

母親までが「次の日曜、出かけるで」とおそろいのポロシャツを買ってきてくれ、みなみへの態度が変わった。1枚の明るい色のTシャツの力で、みなみの周りに人が戻ってきた。それをみなみは「内面と外見の一致が、言葉に代わって周りに私のひょうきんな内面を思い出させ、関係性をつないだから」と説明する。

パーソナルスタイリスト みなみ佳菜さん (写真:みなみさん提供)

「服の力」を知った幼いみなみは、そこから服にこだわり、自己表現を始める。いつも服と一緒だった。若い頃は洋服屋に通い詰め、やがて自分もEddie Bauer Japanに入社。個人販売成績で首位を獲得し、最年少店長となる。ヘッドハンティングでMax & Co.など外資系ブランドへ引き抜かれ続けたのち、2007年にパーソナルスタイリングオフィス最大手のスタイルレスキューへ入社、2010年に独立してスタイリングオフィス「KOROR(コロール)」を主宰する。

みなみさんのこれまでの著書3冊は、働く女性に絶大な支持を受ける(筆者撮影)

装いの力で、なりたい自分へ。あの時言葉を失い、四国の地方都市で、誰もいない部屋でお腹をすかせていた少女が、それから約40年後のいま快活にしゃべり、東京の街を所狭しと動き回っている。そして、これまで延べ1万人以上の顧客に「パーソナルスタイリング」と呼ばれるファッションコンサルティングを提供し、仕事や人間関係などの彼らの夢を叶え、愛されている。新規の客はつねに2~3カ月待ち。著書はすでに3冊、最新刊の『女の運命は服で変わる』(三笠書房)が6月下旬に発売されたばかりだ。

人は、装い次第で得をする。装いの力を借りて運命を変えるのは、自分だ。

女性に、「仕事のための鎧」を着せない

デパートには、上顧客用に用意された広い個室のフィッティングルームというものが存在する。かつて日系航空会社でVIP特別機担当を長く務めた、伝説のトップキャビンアテンダントと言われる人材コンサルタントの女性から「今日はワンピースを数着欲しい」とのリクエストを受けたみなみ。予約時刻の1時間前からまるでチャキチャキと音が聞こえるようにデパートの売り場を回り、イメージするワンピースを20着ほど選び、婦人服売り場の奥深くにひっそりとある真っ白なフィッティングルームへ運び込ませていた。

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