関東進出!食べ放題焼肉「ワンカルビ」の正体 関西・九州の名物チェーン、強さの秘密とは?
――店名を付けた「ワンカルビ」という商品は、既存の焼肉店ではあまり見られない部位で独特のカットが施されていますが、どのようにして生まれたのですか。
これはリブフィンガーというあばら骨に近い部位です。この部位は食味としてはとても良いのですが、筋が入っていて、そのまま食べるととても硬い。これをわれわれの試行錯誤で生まれたミリ単位でカットする技術によって硬さを解消して、本来のおいしさを十分の味わっていただける商品に育てました。この商品を店名と同じにしているのは、当社の技術力の象徴と位置付けているからです。
店が増えても意識の高いアルバイトが集まる仕組み
――人材採用の対策としてどのようなことを行っていますか。
私は、中期経営計画を、人材戦略、業態戦略、地域戦略の3つの柱でつくっているのですが。人材戦略を採用、育成、定着という柱で策定しています。特に重要になるのは採用の部分です。それはアルバイトの段階で特に重視しています。当社は現在、社員は452人、アルバイトは7494人(2018年7月1日現在)おりますが、社員のうちの56%がアルバイト出身です。
採用の中心となるのは「インナー採用」です。アルバイトは高校生・大学生が圧倒的に多いのですが、在籍期間の平均は1年半です。このサイクルで当社のアルバイトを賄うとすると年間に4000人を採用することになります。この数は媒体による採用ではなかなか充当することはできません。
そのために「紹介制度」を取り入れています。これがアルバイト採用の半分を占めています。
当社の店舗ではそれぞれがビジョン設定をしていて、それを達成するための行動計画をつくり、それに沿ってPDCAを回しています。それをアルバイトが主体となって行います。ここで、やりがい、自己成長を実感することができます。このようなことをアルバイトで経験することは他の職場ではあまり見られないことでしょう。
そこでアルバイトをしている人が店にアルバイトを紹介するときに、やりがいや自己成長を求めている友達を紹介しようと考えるようになります。店舗での目標達成が、自分の目標達成につながる、やりがい、自己成長につながる、そして店舗の活性化につながる。このようにアルバイトの紹介制度がよい循環をもたらしてきています。
もう1つ、社員の56%がアルバイト出身であるという点。これも、当社でアルバイトを経験した結果、判断されていることです。