ストレッチは減量や健康増進に効果的だった 「回復」と「改造」とでは異なっている
また、オーストラリア出身のアンソニー・バーネット博士が2006年に発表した研究論文果によると、「ストレッチには、怪我からの回復や怪我防止に効果は認められず、短期的にも長期的にも、ストレッチが回復に役立つとはいえない」という。
一方、継続的に運動することで、筋肉構造や代謝、生理機能が変わり、運動によるストレスに身体が順応していく。この変化がいわゆる「改造」だ。
高齢ラットの細動脈の血管拡張や血管形成が促された
電気通信大学の堀田一樹博士らによる研究プロジェクトでは、1日30分のストレッチを週5回、4週間にわたって高齢ラットにさせたところ、骨格筋において細動脈の血管拡張や血管形成が促され、血流が増えた。
研究プロジェクトでは、この実験結果について「微小血管における順応が、ストレッチを通じて動く筋肉の血流改善に寄与しているのではないか」と考察している。
また、関節可動域の維持や改善も、ストレッチの効果として挙げられる。ブラジルのリオグランデドスール連邦大学に在籍するデューリアン・メディロス氏がこれまでの14の研究結果を分析したところ、継続的なストレッチが筋肉のパフォーマンスに好影響をもたらすことが明らかとなっている。
このような研究結果から、「改造」のためのストレッチには、一定の効果がありそうだ。手軽に短時間でできるストレッチから少しづつ取り入れてみてはいかがだろう。
(文:松岡由希子)
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