経験の蓄積が戦力になるのも野球の醍醐味だ 高校野球にプロ野球、8月の熱戦を振り返る

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パ・リーグは、埼玉西武ライオンズが打線の底力で着々と貯金を増やし続け、8月20日現在で貯金を22とし、2位北海道日本ハムファイターズとのゲーム差も6.5ゲームと、少し抜け出ました。

ここに来て、上向きになってきた打線の影響で福岡ソフトバンクホークスが2位日ハムに2.5ゲーム差と徐々に上位2チームに迫ってきた感じはしますが、3ゲーム差、ひいては5ゲーム差を追い付くには、一般的に1カ月以上かかると言われており、上位チームの順位の変動はよっぽどのことがない限りないはずです。

最下位、楽天に見える光明

そして私の古巣、東北楽天ゴールデンイーグルスです。

前回のコラム配信後、Aクラスチームとの対戦が続き、3カードとも勝ち越すことはできませんでしたが、この2週間でも粘り強い野球で、勝率5割近いの戦いを続けています。

2番打者として出場をしていた茂木選手が、死球によるケガでの離脱をしましたが、高卒1年目の西巻選手がその穴を埋めるべく、ショートのレギュラーとして出場しています。打席数は少ないものの8月19日試合終了時点で打率も3割超えと結果を出し、猛アピールを続けている点に注目しましょう。

この西巻選手、高卒1年目とは思えない落ち着きのあるプレーが魅力の選手なんです。

守備では、繰り返しますが1年目とは思えないグラブさばきに強肩。打撃では小柄ながら持ち合わせたパンチ力、コンパクトでシュアなスイング、打席の中での冷静な判断での狙い球の設定等、私が19歳のときではできなかったようなことを普通に1軍の舞台でできているのがスゴイ。

将来的には現レギュラーの茂木選手を押しのけ、ショートのポジションを奪う可能性が非常に高いのではないかと見ています。

このような若手選手が出てくるようになれば、広島カープのような層の厚い強いチームになっていくでしょう。今の状況をがむしゃらに頑張り、もっともっと高いレベルを目指して頑張ってほしい!

西巻選手はまだ19歳。高校球児とほぼ同世代ながらここまでのスキルを見せています。来年の今頃になれば、今年の甲子園を沸かせた選手が活躍していることでしょう。もうすぐ高校野球が終わってしまいますが、彼らに再び会える日はそう遠くないのです。

礒部 公一 プロ野球解説者

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いそべ こういち / Koichi Isobe

元プロ野球選手。2018年からプロ野球解説者に転身。右投げ左打ち。1989〜1991年広島県立西条農業高等学校 /1992〜1996年三菱重工株式会社広島製作所 /1997〜2004年大阪近鉄バファローズ/ 2005〜2009年東北楽天ゴールデンイーグルス / 2009〜2017東北楽天ゴールデンイーグルス・コーチ。2004年、球界再編問題に近鉄最後の選手会長として労使交渉に奔走した。2005年、東北楽天ゴールデンイーグルスに創設メンバーとして加入、初代選手会長に就任するとともに、中心選手として生まれたばかりのチームを支えた。

Twitter:https://twitter.com/isobekoichi

Facebook: https://www.facebook.com/Isobekoichiofficial/

公式HP:http://inwheel.jp/isobe/

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