投資信託はおいしい炊飯器を買うのと同じだ 「お金が増える投資信託」の賢い選び方
「でも炊飯器の良しあしはすぐにわかるし、故障したら修理もできるし、不良品なら取り換えもできる。しかし投資信託は、金融機関が口を開けばすぐに『自己責任だ』とすべての責任を顧客に押し付けてくるじゃないか」――。そうおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。実は筆者も商品を売りっぱなしで結果については「自己責任」と突っぱねる金融業界の姿勢が、どうも納得いかない1人です。
金融商品にだって、製造者責任があって然るべきではないか、マーケットの変動は最初からあるべきものだと想定したうえで、利益が出るように作るのが運用会社のメーカーとしての責任であり、金融機関の販売者としての責任ではないかと思っています。投資信託を「使う」側がトリセツを無視した使い方をして不利益を被ればそれは「自己責任」かもしれないけれど、購入した途端すべてを「自己責任」と言ってしまって本当にいいのだろうかという疑問をずっと抱いていました。
「コツコツ投資」は資産形成ができる投資手法
そんな中注目しているのが、冒頭にもご紹介した「インベスターリターン(IR)」という指標です。実際投資家は利益を得たのかどうだったのか、ということを数字で表したものです。日経新聞によると、確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)専用の投資信託の過去10年のIRは5.7%で基準価格の上昇率4.2%を上回るのだそうです。過去3年でも基準価格2.7%に対しIRは2.9%と投資家が「ちゃんと利益を得ていた」という証明を出しています。
確定拠出年金は、老後のための特別口座で相場の変動に一喜一憂せずにコツコツ積み立てができるように設計されています。いわば、投資におけるトリセツ「長期・積立・分散」をちゃんと実行すれば、資産形成ができますよという証明です。顧客の7割が積み立てを実行するセゾン投信の場合、84%の顧客のIRがプラスというのも、資産形成を成功させるにはトリセツどおりの行動パターンが不可欠であるという証明書でもあります。
投資信託と炊飯器を比較するなど、ちょっと極端な話をしてしまったかもしれませんが、投資信託も私たちの暮らしをよりよくする「商品」と思って、もう少し経験値と判断力をつけてください。そして、金融機関を「商品を選ぶお店」ととらえてみると付き合い方も変わるのではないでしょうか? もちろん、購入前に投資信託のトリセツを理解し、正しい投資行動をとることを忘れてはいけません。ぜひ少しでも参考にしていただけましたら幸いです。
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