グローバルエリートの講評
今回、燃える闘魂・アントニオ猪木氏と燃える商魂・グローバルエリートの私が対談させていただくことになったのだが、猪木氏と対談していちばん思ったのは、「ほかの人が無理だと思うことをやることに闘魂を燃やす人」という印象である。これは後に続く対談で明らかになるが、当時、誰しもが無理だと思っていたモハメド・アリとの戦いを実現にこぎ着け、しかもそのアリ氏と親友になったということが、猪木氏の強力な原体験になっているように思われる。そしてモハメド・アリと闘った男ということで世界的な名声を手にし、国際的な独自の人脈構築につながった。
猪木氏はその師匠である力道山への思いから、北朝鮮とのパイプ作りにも積極的で、人脈的にも張成沢氏といった実力者中の実力者、最高権力者クラスと通じるほどの関係を構築している。
また今回、対談させていただいて感じたのだが、相手の“気迫や魂まで含めた部分の見極め”を重視しており、これは希代の天才カリスマプロレスラーとしての資質が大いに生かされている。
思えばモハメド・アリとの対戦や力道山との思い、相手との間の取り方など、今の猪木氏の強力な個性は、世界的な一流のプロレスラー(猪木氏はアメリカ最大のプロレス団体、WWEにも日本人として初めて殿堂入りしている)としての経験が基礎になっているのではないか。また猪木氏が盛んに語る「外交に一方的な勝利はない」という信念も、プロレスが相手の強さを引き立て、双方がウィンウィンの状況をつくることが最高の試合である、というその本質がよい意味で影響しているのであろう。
プロレスラー出身の国会議員でぱっとしない人が多い中、やはり一流のスーパースターとして国民を手のひらで転がした猪木氏は、その発想も行動力も規格外ということだろうか。
次回の続編では、このユニーク極まりないアントニオ猪木という国会議員を、どのように日本社会のために最大限活用できるのか、引き続き猪木氏との対談を続けたい。
(司会・構成:佐々木紀彦、撮影:今井康)
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