表現力のない企業は生き残れない リーダーがこぞって頼るアートの力とは?

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みっつの「つ」とは

――異業種だからこそ、お互いの役割も明確ですね。

長谷部貴美(はせべ・きみ)1965年東京生まれ。2001年ホワイトシップ設立。2004年法人化。代表取締役社長 / アートプロデューサー。アートが社会に貢献するためには、アーティストとオーディエンスの双方のインキュベーションが必要だという考えから、子ども・学生向けおよびビジネスパーソンや組織向けのアートプログラムとそのマネジメント方法等を確立し、実践している。一方でアーティストのマネジメント、インキュベーション、ギャラリー運営、展覧会の企画も手がけている。

斎藤:前に、アーティストのクニさんを含めて3人で「つなぐ、つむぐ、つくる」という三つの「つ」がわれわれそれぞれの役割だと話した事があります。私は最前線でつないでいく。キミさんは、一人ひとりの思いを丁寧につむいでいく力がすごい。

――今後の目標はなんでしょう?

斎藤:従来の大学教育やMBAとは全く違った教育のメカニズムを作る事です。リーダーが自らの創造的リーダーシップを育てるための、もっと主体性のある学びの場をアートを通して作っていきたいと考えています。

意外に、まだおそれで動いているリーダーも多いです。失敗したくないとか、ほかの人に負けたくないとか……。そのモードもいいけど、喜びとか、ポジティブな思考で事業を動かすという価値観にアートのプログラムでもっていければと思っています。

実際、別に絵を描くことで有名になったり、誰かに勝てるわけではないので、皆さんの描きたいものも違っていて当然です。表現の喜び自体を、論理にばかり頼って仕事をしている人にこそ感じてもらいたいですね。

(撮影:尾形 文繁)

張 子渓 ジャーナリスト
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