眉村ちあきがスーパーアイドルを目指すワケ

「立ってるだけでファンを失神させたい!」

すると、電話の相手は「わかりました」と答え、その費用を伝えてきた。眉村さんにとっては決して簡単にポンと支払えるような金額ではなかったが、こう答えた。

「余裕です」……多少の誤差はあるだろうが、これが眉村さんの記憶に残るやり取りだ。

当時を思い起こし、眉村さんはこう笑う。

「あの時は、ほんと頭がおかしかったんですよ。100%絶対にできるという気しかしなくて。私には見えてました」

450枚用意したチケットは完売

確かに、眉村さんには見えていた。

今年8月4日、眉村さんは新宿LOFTのステージに立っていた。ライブのタイトルは【眉村ちあき2ndワンマンライブ~SOLD OUT 関係者席ありません~】。このタイトルどおり、450枚用意したチケットは、完売だった。

さらに、このライブではMr.Children、ゆず、SEKAI NO OWARIなどの人気アーティストが所属するトイズファクトリーとの仮契約も発表された。

わずか9カ月の間に、観客を5人から450人にまで増やし、音楽事務所からオファーまで受けた眉村さん。実は2018年が勝負の年だったことは、あまり知られていない。

「私、絶対結果出すから歌をやらせて。(大学にいく)同級生が社会人になる22歳までに絶対になんとかするから、4年間、大学にいかないで歌をやらせて」

子どもの頃から好きだった歌と踊りでプロになりたいという思いがあった(撮影:梅谷秀司)

18歳、高校3年生の眉村さんは、両親にそう訴えかけた。卒業後の進路に関して、母親から「将来、安定しているから」と看護師の資格を取得するように勧められていたが、眉村さんは、子どもの頃から好きだった歌と踊りでプロになりたいという思いがあったのだ。

物心つく前から、沖縄出身の父親が家で聞いていた沖縄民謡に合わせて歌い、踊っていた。子どもの頃から歌には自信があり、メディアで歌唱力が高く評価されるアーティストやアイドルを見ると「え、普通じゃん、私だってできるもん」と思っていた。

学校に行けば、親しい2、3人の友人と、足を地面から離してはいけないという条件付きの「すり足鬼ごっこ」をして、息が苦しくなるほど大笑いをする。帰宅したら、好きなアーティストの歌と踊りをコピーして、自室でひとりコンサートを開く。特に目立つこともない普通の女子高生だったが、確信があった。

「私、絶対売れる」

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