毎朝3人の子がコンビニへ朝食を買いに行く姿と、子どもの始終泣き叫ぶ声と夫婦喧嘩が絶えないといううわさが私に聞こえてきた頃には、なんと「家付き娘」のほうが、夫と子どもを置いて家出したというのです。3人の母親なら自然に身についていた家事・育児が、この母親をパニックにしたのでした。
京子さんは何度も自分亡きあと娘を見守るよう私に頼んでいましたが、連絡を取る間もなく、その娘が一番に逃げてしまったのです。その後、いまは娘婿が子どもを育てていますが、これは他人ごとではありません。
「獅子はわが子を千尋の谷に突き落とす」に学ぼう
ライオンやキタキツネなどの子離れの映像は、テレビでもよく放映されています。ヒト以上かと思われる無償の愛で育てられてきた子どもたちは、ある日突然、敵を追い払うような容赦のなさで親から突き放されます。何が起こったかわからず、しばらくは親に追いすがり、その後あきらめてトボトボと不安げに親から去る子どもたちの姿は、涙なくしては見られません(この子どもたちを、遠い所から見送る親キタキツネの姿は有名ですね)。
ところでこの容赦のない厳しさが、親の深い愛情そのものだということを、ヒトはいま一度、学ぶべきではないでしょうか。
いつ親がいなくなるかもしれない弱肉強食の世界では、親離れして1匹でも狩りができることが、動物が生き残る絶対条件です。動物の本能でなされる厳しい親の愛情表現に感服するばかりですが、ある意味で弱肉強食社会で、自立していないと生きていけない苛酷さは、ヒト社会も負けていません。
わざと試練を与えて育てることが本当の親の愛情だと、「獅子の突き落とし」は例えているそうですが、試練以前に、当然の義務や責任も免除して育てたら、子どもはいつ成長するかという話です。
娘さんは現在、blueblueさんの孫の世話のレベルからみれば大雑把で危険も伴う子どもとのかかわり方です。ただ、婿はその家族の再生に意欲があるようにも相談文には書かれています。
暴力が常態化していて改善の見込みがないなら別ですが、仮に父性や母性が伸びる余地が見込める場合は、婿家族が一丸となってその家族を再生させられるよう、blueblueさんは厳しい愛で、黒子のような支援に徹するべきです。
そしてそれは、あなたが孫たちを引き取るよりはるかにエネルギ―と智恵が要ることなのです。
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