投資信託で損する人がしがちな5つの勘違い ETFをただ買っていれば儲かるとは限らない
1. 数多くの商品に分散投資すればいいわけではない
一般的に、投資対象は複数に分かれているほうがリスクを分散できると言われています。しかしやみくもに分散すればいいわけではありません。値動きが同じ傾向のものに分散していては、リターンだけでなく損失額もともに増える可能が高まります。「値動きの異なる2つ以上の資産を組み合わせて」はじめて、真の分散効果を得ることができるのです。
では、「値動きの異なる資産」とは、どのような組み合わせを指すのでしょうか。
ここで、資産の値動きの関係を表した「相関係数」をもとに考えていきます。まったく同じ値動きの場合、相関係数は1に近づきます。まったく無関係の値動きの場合、相関係数は0、まったく逆の値動きの場合、相関係数は-1に近づきます。
真の分散効果は、値動きの異なる2つ以上の資産を組み合わせることで得られるわけですから、相関係数で言えば-1に近いものどうしを組み合わせる必要があります。
国内株式型と国内債券型を組み合わせる
注意しておきたいのはまったく逆の値動きをする、つまり相関係数が-1のものは、互いに損益が相殺されてしまうため真の分散効果を得ることは難しいということです。
相関係数 | 国内株式型 | 国際株式型 | 国内債券型 | 国際債券型 |
国内株式型 | ― | |||
国際株式型 | 0.82 | ― | ||
国内債券型 | 0.03 | 0.08 | ― | |
国際債券型 | 0.76 | 0.92 | 0.11 | ― |
とすると、過去10年間のデータをもとに算出した上の表を見ていただくと、最も分散効果を得られる投資対象は、国内株式と国内債券の組み合わせであると考えることができます。一般的には逆相関といえば、株式が上がれば債券は下がり、債券が下がれば株が上がるというロジックが有名ですが、このデータに限っていえば、おおむね間違っていないということがわかります。
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