さて、もう少しお金について考えてみましょう。今度は「中級編」です。
次の2つの質問について、皆さんならどう答えますか。これらは、岡本さんが東京都内の某公立中学でのハッピー・マネー®教室で、生徒から受けた質問です。もちろん小学生も中学生も関係はありません。
おもしろい質問ですね。児童文学や小説、漫画、ドラマに至るまで、お金持ちはよく「意地悪キャラ」「嫌な人キャラ」として描かれます。「守銭奴」という言葉もあるように、金銭に対する欲が強く、執着する人は確かにお金が貯まりそうですが、お金持ちになったら性格が変わるかどうかは、わかりませんね。
岡本さんは、「使う人の性格によってお金の価値が変わる」とおっしゃいます。「品格の高い人が使うお金は長期的に多くの人を幸せにするし、品格の低い人が使うお金は刹那的で、自分だけの小さな(そして下品な)満足感しかもたらさない。大切なことはお金を使う主体がきちんとした判断力を持つということ」と述べています。
やはり子供のマネー教育をしているFP(ファイナンシャルプランナー)の西岡奈美さんは、「お金を持つ人のあり方で、お金は良いものにも悪いものにもなる。お金には良くも悪くもパワーがあり、それを良いほうに使うのか、そうでないほうに使うのかは扱う人次第」と言います。
また別のFPの住山志津枝さんは、「お金の正しい使い方を知らない人がお金をたくさん持つと性格まで変わってしまうかもしれない。包丁は、正しく使えばおいしい料理を作るための便利な道具だが、間違った使い方をすれば人を傷つける。お金も同じ。正しく使えば、人を幸せにするが、間違った使い方をすれば自分も人も傷つける道具に変わってしまう」と述べています。読者の皆さんはどう思いますか。
これに対する答えを見る前に、小学生の「将来なりたい職業」ランキングトップ10(2017年・日本FP協会)を見てみましょう。それによると、男子は昨年同様、「サッカー選手・監督など」「野球選手・監督など」「医師」が人気トップ3ですが、なんと「ユーチューバー」が6位にランクインしています。女子のトップ10は、「看護師」「パティシエール」「保育士」「医師」など、手に職をつける馴染みの職業が占めています。
小学生の子供たちにとって、「好きなことや憧れ」「世の中の役に立つこと」が職業につながればいいなという思いと「稼げる」ことはちゃんと結びついているとも言えます。また、「たくさん稼ぎたい。できれば楽しく」という考えが強くなってきている、と言えるかもしれません。これも時代の流れでしょうが、親としては「楽しく稼ぐ」を「楽して稼ぐ」と履き違えないようにしっかり伝えたいものです。これは、ハッピー・マネー®ワークブック「②お金はたのしく稼ぐ」でも伝えています。
さて、Q2の答えはいろいろ考えられると思いますが、代表的な答えは以下の2つでしょう。FPの中野靖之さんは、お金をたくさん稼ぐようになるには、「勉強や体力づくり、精神力の強化といった自分への投資が大事」、FPの竹内かおりさんは「私なら夢中になれることを見つけて、夢中になること、と答えます!」といいます。読者の皆さんなら、どう答えますか?
残り少なくなってきた夏休み、ぜひお金のことについて親子で話し合ってみてください。
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