独り勝ちマック、これから問われる「継続力」 「夜マック」の成功で上期決算は絶好調

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このサービスは2017年6月から東海3県(愛知県、三重県、岐阜県)限定で先行して展開したところ、会社の想定を大きく上回る売上高、客数の伸びをみせた。ネット上でも話題となり、全国展開を望む声が多かったため、今年3月に本格導入に踏み切った。

マクドナルドは詳細な数字を明らかにしていないが、「朝、ランチ、スナック、夜のすべての時間帯で売上高、客数が伸びているが、夜の時間帯の成績が他の時間帯よりもよいことが確認できている」(日本マクドナルド)。若年層や家族客だけでなく、女性の購入者も少なくないという。

8月からは夜マック第2弾として「ポテナゲ」の全国展開が始まった。毎日17時以降はポテトとナゲットのセットが最大33%引きになるというものだ。バーガーとは異なり、ポテナゲは家族やグループでシェアすることも想定される。

効果的なキャンペーンを打ち続けられるか

夜マックなどの施策が奏功し、業績好調のマクドナルド。ただこの流れを維持することは簡単ではない。7月には客数が2015年12月以来のマイナスとなった。これは前年にauの三太郎の日キャンペーンでダブルチーズバーガーを無料で提供した反動が大きいが、「お客様の期待はますます高くなっている」(下平副社長)中で、超えるべきハードルは上がっている。

ここ数年の好調は店舗改装の効果も大きい。ただ、今後も集客力を維持するには、効果的なキャンペーンを打ち続ける必要がある。今年6月には、2015年10月の入社以来、同社のマーケティング改革を主導してきた足立光・マーケティング本部長が退社。今後は残された同本部のメンバーが施策を立案していくことになる。

7月には昨夏の期間限定商品「東京ローストビーフバーガー」の広告表示に問題があったとして消費者庁から措置命令を受けた。8月に入ってからは、石川県金沢市の店でソーセージエッグマフィンを食べた客が、商品に白いものが混入していると訴えたことも明らかになった。混入物や混入経路などは調査中だ。こうした問題が続けば、客に与えるイメージ低下につながりかねない。

今夏は「ご当地グルメバーガー」のキャンペーンを実施する(記者撮影)

通期(1~12月)の業績は、期初の想定より改装店舗数を増やすこともあり、売上高2690億円(前期比6.1%増)、営業利益218億円(同15.3%増)の従来予想を据え置いた。下期も全店売上高(直営とFCを合わせた売上高)は、前年同期比3~4%の成長を見込んでいる。

新規出店については、期初の想定の35~40店から22店に見直されたが、「2018~2020年の3年間で100店を出店するという計画に変わりはない」(下平副社長)。ビジネスが再び拡大基調にある中、キャンペーンやサービスの質を保ち続けられるか。真の実力が問われることになる。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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