万引きで実刑を食らった女性の壮絶な半生 摂食障害を経て「窃盗症」になった

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――ほとんど無意識的に盗んでいたんですね。

スイッチが入ってしまうと次の瞬間にはもう盗っている、盗ることに全てを賭けているようでした。

今となっては恥ずかしいのですが、そのときは申し訳ないというような罪悪感はまったくなかったんです。

盗んでいたのは食料品が中心でしたが、とくに欲しかったり必要だったわけではないんです。とにかく「盗む」という行為自体にとりつかれたようでした。

財布から500円玉だけを盗んだ

――ほかにはどんなものを盗っていたのですか。

アメリカに住んでいた頃、友人の紹介で入会したニューヨークの高級フィットネスクラブでクレジットカードを盗み、そのときに初めて警察に捕まりました。

フィットネスクラブのマネージャーもよく知っている間柄でしたし、友人も私のことをかばってくれたので、そのときにはすごく申し訳ない気持ちになりました。

(写真:リディラバジャーナル)

それでもやめられず、9.11の同時多発テロの影響で日本に帰国してからも盗みは続けていました。

子どもと一緒に児童館にいったときに全然知らない人のカバンから財布を取り出して、財布の中に入っている1万円札ではなく、500円玉だけを抜き出して捕まったこともあります。

周りに人がたくさんいて、しかも自分の子どもがいる前にもかかわらずです。

そのときも含めて、日本では4回ぐらい警察に捕まりました。

捕まるたびに、「二度と盗みはしない」と心に誓っても、時間が経つとまた盗みをしてしまう。その繰り返しでした。

当事は病気だと思っていなかったので、自分は悪い人間だと思っていました。

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