東京には「GAFAに勝つ潜在力」がある根本理由 テック4強の経済圏は「現代の護送船団」だ

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GAFAは「国」に似た存在だと思っています。『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』でも描かれていますが、国と企業の境目がどんどんなくなってきたんですよ。

たとえば、規制。いまのスタートアップの多くは、最終的なビジネスの手段として、スマホアプリを利用することが非常に多いです。そうなると、アップルストア、グーグルプレイなどのストアの審査を通さなければならない。「こういうものはアンドロイドには入れない」「アップルでは不可」なんていう話がよくあります。理論上「特定の産業は排除する」ということもできるんです。昔ならば国が決めていた規制を、GAFAが決めている時代と言えます。

田中 和哉(たなか かずや)/東京大学大学院工学系研究科職員、政策研究大学院大学政策研究院リサーチ・フェローなど。1985年大阪府生まれ。東京理科大学理学部、東京大学大学院工学系研究科(修士課程)を修了後、国内外のシティバンクにて商業・投資銀行業務。その後、同大学院博士課程に進学し、人工知能、産官学連携、大学政策などの研究活動。現在、先の所属のほか慶應義塾大学SFC研究所、沖縄科学技術大学院大学、(財)大学IR総研にて先端技術の産学連携に従事。ウェブサイトはこちら(撮影:西丸 颯)

次に、研究開発費。先ほど、日本は金余りになっていると言いましたが、現実には研究開発に潤沢な資金が流れ込んでいるわけではありません。なぜかというと、研究開発費を何に使うかを決めるのには、関係者の合意が必要なんですよね。政府の研究助成でも、企業の投資でも、それは変わりません。現代の問題は、お金の総額ではなく、関係者の合意が得られるかどうかなんです。

その点、GAFAは強い。国よりも大きな金額をAIに投資するぞ、なんてことができてしまうわけです。かつて国が財政投融資で行っていたことを、今では彼らのほうが速く簡単にできるという状況です。

税金の仕組みに近いものもGAFAは持っています。アプリストアが徴収する手数料は、サービス供給側が金額によらず払わなければならない。ほぼ税金みたいなものですよね。インフラ化したサービスの使用料は、感覚としては公共料金に近くなってきます。

しかも、GAFA自身は、国にはそれほどお金を納めていないことがわかっている。昔騒がれた「ダブルアイリッシュ」(特定の法人を優遇するアイルランドの税制を利用した節税策)なんかも、GAFAの名前とともに知れ渡りました。アイルランドの事例では、税金に関しては国際機関が勧告を出すことで改正されましたが、「デジタル税」などのイタチゴッコをしながら租税回避策はさらに巧妙になっています。

要するに、国が会社を選ぶのではなく、会社が国を選ぶようになってしまった。GAFAは、ルールメーカーとなって、もはや、税金さえ意のままにしていて、国やGAFA以外の会社は、ルールフォロワーになってしまったわけです。もちろん、日本という国や日本の会社も、例外ではありません。

「テクノロジー」の重要性がきわめて大きくなった

GAFAはなぜ、これほどの力を持つようになったのか。私は、ビジネスにおいて重要なものが大きく変化したことが最大の要因だと思っています。

たとえば商社のビジネスがわかりやすいのですが、かつてその基本は海外への「横展開」でした。商品を売ったりサービスしたりする国や地域をどんどん増やしていく。途上国に展開して、「ついに自社がサービスできていない国は、残り何カ国になった」というように。

複数の国に展開するには「言語」や「文化」の壁があります。だから国や銀行に後押しされた日本の総合商社のように、「言語」「文化」の壁を越える「組織力」が企業の国際的な競争力を左右したのです。

でもグローバル化に加え携帯電話などの普及により、そうした壁を越えやすくなり、競争力を決める要因として「テクノロジー」の存在がますます大きくなりました。まさに、テックジャイアントが世界を圧倒する時代。それを牽引しているのがシリコンバレーです。大きなインキュベーション・コミュニティがシリコンバレーにはある。

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