山根会長「スッキリ」出演に見た強烈な違和感

日本ボクシング連盟の「ドン」は失言だらけ

さらに、「私自身も早くから報道関係に取材を受けて、みなさんに納得できるようなことを伝えることは義務だと思っていましたが、ある関係者から『取材は受けてはダメだ』と言われていたので一切受けませんでした」と対応が遅れた理由を釈明したのです。たどたどしい言葉ではあったものの、少なくともこの発言からは、「組織トップとしての説明責任を理解している」という様子がうかがえます。

しかし、MC・加藤浩次さんのインタビューがはじまると、一転して冗舌になったのです。

「生意気」が致命的なイメージダウンに

最初に加藤さんが尋ねたのは、ロンドン五輪金メダリストで現WBAミドル級王者・村田諒太選手の発言について。村田選手が自身のフェイスブックページに「そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません」と書き込んだことに、山根会長は「学生時代はええ選手だったけど、村田くんは1人でメダルを取れる力はありません」と断言したのです。

みなさんも「あっ、この発言はマズイ」と感じたのではないでしょうか。実際、このコメントには明らかな過失がありました。それは「組織トップが個人の功績を否定してしまったこと」「それを公の場で断言してしまったこと」の2つです。

組織トップが個人の功績を否定するのは、上から目線の最たるところで、「それを口にすることで自分の権威付けをしよう」という思いが透けて見えます。しかし、村田選手のような実績と人気を併せ持つ個人を公の場で否定することは、猛バッシングにつながりかねません。

山根会長は、「村田選手は自分が監督代行の反対を押し切って抜てきしたから世界選手権に出られて、ロンドン五輪で金メダルが取れた」と自らの手柄を主張。加藤さんが再び村田選手の発言を口にすると、「生意気だよ。あの選手はまだ社会人じゃない。現役のボクサーとして言うべき話じゃありません」と声を荒らげました。

ここで早くも感情的になってしまったのです。山根会長は、個人の功績を否定した段階を一つ超えて、個人そのものを否定してしまいました。そもそも「生意気」は、相手を未熟な人間とみなす一方的なフレーズ。山根会長は村田選手のことを「まだ社会人じゃない」とまで言っていましたが、山根会長が社会人ならば「生意気」は公の場で使ってはいけないフレーズなのです。

とっさにこうしたフレーズが出てしまうのは、「ふだんから組織トップとしての危機管理意識がいかに薄いか」を物語っていました。

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