SNSの発言が本人の人生を破滅させる恐怖 「何も書かない」が最良の選択ではないか
その理由は6月24日、「Hagex(ハゲックス)」のハンドルネームで活動していた岡本顕一郎さんが刺殺されたからだ。容疑者の40代男はネット掲示板で他の利用者の誹謗中傷などの迷惑行為を繰り返し、Hagex氏もその被害を受けていた。Hagex氏は運営会社に通報し、自身のブログでもそのことを報告。以後、同様の通報が相次いだ。問題のIDは凍結させられたが、容疑者の男はまた別のIDを作り、それも凍結されるという状況に。こうした経緯から、容疑者は逆恨みをして犯行に及んだとみられている。
Hagex氏と筆者は「ネットニュース」や「ネット炎上」がテーマの発信を得意としていたので、イベントでも一緒に登壇することが何度かあった。
そんな同じ業界で働く友人が刺殺されたことから、「ネットの発言はリアルの生活を破壊するほど、人の恨みを買う」と考えるようになった。それが、ツイッターを更新しなくなったきっかけである。
これまでSNSを更新していた5つの理由
ただ、ここ1カ月ほとんどツイッターを更新しなくなったところで、ひとつの事実に気づく。何も困ることがない。当然の話だが、何も書かないと、何も批判されないし、炎上にビクビクすることもない。
一体、自分は何のために今までツイッターをしていたのだろうか。振り返ってみると、それは以下の5つの目的に集約される。
【2】自分がおもしろいと思うものや、友人の活動を広めるため
【3】フォロワーが増えるにつれて、自分のツイートに対する反応も増えておもしろいから
【4】時に良い出会いをもたらしてくれるため
【5】自分がおかしいと思う「現象」や「発言」の存在を世間に知らせるため
そのほかにも、おもしろいトピックのニュース記事や、ツイッターの発言、炎上を見かけた時に、何かタメになる情報や一家言をツイートすることで、「やっぱり中川さんは物知りでおもしろい人だよね」と思ってほしかった。つまり、承認欲求もモチベーションになっていたことは間違いない。
自分の場合、【1】が最も重要だったわけだが、告知ツイートだけだと、フォロワーは増えず、既存のフォロワーからも飽きられてしまう。だから、告知ツイートの何倍も、【2】~【5】にまつわるツイートを投稿していた。告知ツイートはイザという時に投稿し、できるだけ「宣伝臭」を弱めるようにしていたのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら