ダイハツ「ミラトコット」乗ってわかった実力 「女性向け」感漂うが旧車テイストも持ち味

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また、最上級グレードのG“SA III“は、上から見下ろすようにクルマの周囲の状況をナビ画面に映す「パノラマモニター」に対応したカメラ類を標準装備し(別途対応ナビが必要)、コーナーセンサーもフロント4個、リア2個が標準装備となり、車庫入れや縦列駐車に対する苦手意識を低減できるようになっているのはうれしいポイントだろう。

ミラトコットの走りの実力はいかに?

ミラトコットはベースがミライースということで、エンジンやミッションに関しては出力からギア比に至るまで共通のものが搭載されている。一方で、ハンドリングに関係する部分はミライースと異なる味付けがなされた。電動パワーステアリングはモーターの容量をアップしてアシスト量を増加し、より軽い操舵感を実現している。といっても、軽すぎて落ち着きがないハンドリングというわけではなく、軽さの中にもしっかりインフォメーションがあるので、ワインディングのような道でも運転を楽しむことができる味付けと感じた。

足回りに関してはミライースよりも柔らかい設定としている(撮影:伊藤 ひろし)

また、足回りに関してはミライースよりも柔らかい設定としながらも、フロントストラットにリバウンドスプリングを追加し、ロールを低減。ロールスピードも抑えられているため、ハンドルを切り始めたときのグラつき感も少なく、運転に不慣れなユーザーも怖さを感じることは少ないだろう。これは、ミラトコットの全高が1530mmと低く抑えられていることも寄与しているはずだ。

一方、38kW(52馬力)/60N・m(6.1kg・m)というスペックのKF型エンジンは、ハッキリ言って遅い。大人(オジサン)が2人乗車での出足は鈍く、ついアクセルを多めに踏み込んでしまうほどだ。ただ、アクセルを多く踏み込んでもキャビンの静粛性は比較的高いレベルで保たれているし、いったん速度が乗ってしまえば、それを維持することは難なくこなしてくれる。

そもそもキャラクター的にガンガン飛ばすタイプではないし、むしろのんびりとトコトコ走らせるのが似合う車種だ。冒頭にも旧車を思わせると表現したが、この雰囲気はフィアット500やクラシックミニなど往年のコンパクトを思わせるもので、「遅いなあ」と言いながらもついにやけてしまうような感覚を持ち合わせていた。もちろん、快適装備や安全装備は現代のレベルのものが備わっているので、安心安全に旧車テイストが味わえる、新たな価値を持ったモデルと言えるかもしれない。

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

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こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

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