スズキとダイハツの明暗を分けたものとは? 好調スズキにあの有力投資ファンドも触手

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軽自動車増税の反動減が影響し、第1四半期の国内販売は2ケタ減となった(撮影:今井康一)

スズキが8月3日に発表した2015年度第1四半期(4月~6月)決算の営業利益は、前年同期比8.2%増の551億円と過去最高を更新した。だが、長尾正彦取締役が同日の決算会見で、「インド(子会社)のマルチ・スズキの増収増益によるところが大半。逆に言うと、これを除くと厳しいのが実態」と総括したように、好調なインド子会社さまさまの決算だった。

インドに”救われた”構図は第1四半期の販売実績でも明らかだ。軽自動車増税の反動減が響いた日本国内は約17.2%減の15.2万台、中国は31.6%減の4.6万台、インドネシアは20.2%減の3.2万台と落ち込んだ。一方、インドが13%増の30.6万台と大きく伸びたことで、4輪の総販売台数は68.8万台と何とか前期並みをキープした。

スズキとダイハツで明暗クッキリ

スズキが56%の株式を保有するマルチ・スズキはインド市場のシェアが45%とトップ。2014年度の販売台数は前期比11%増の117万台で、市場の伸びを追い風に、この10年足らずで倍近く拡大している。価格の安い小型車中心ながら、台数増の効果で利益も稼いでおり、第1四半期の純利益は119億ルピーと前年同期比で56%増加。通貨安もあってスズキの業績への貢献度合いも高まった。

 一方、軽自動車市場でライバルのダイハツ工業は2015年度第1四半期の営業利益が35.7%減と苦戦した。国内販売台数は2割減とスズキと大差ないが、インドネシアとマレーシアが主力の海外の伸びでカバーしきれず、総販売台数は9%減となった。インドでの強さが、スズキとダイハツの明暗を分けたわけだ。

成長を続けるマルチ・スズキの利益貢献が高まる一方、スズキが株式を保有しない44%分は、少数株主持分として連結の純利益から控除される。そのため、決算書上では100%分の利益が合算されている営業利益や経常利益から、最終的に残る純利益との”落差”がどうしても大きくなる。日本をはじめインドを除く海外で十分に稼げていないことと相まって、今回、第1四半期は営業増益にもかかわらず、純利益は15.5%減の317億円と6期ぶりに減少した。

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