日銀会合後に円高に振れても一時的なものに ソニーフィナンシャルHDの尾河眞樹氏に聞く

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人民元の下落に市場の警戒感が高まっている(写真:ロイター/Carlos Barria)

中国政府はある程度のところで元買い介入

――米中貿易摩擦をきっかけに、人民元の下落が続いている。人民元の先行きについてはどう見ているか。

中国は6月から元安を放置していた。意図的に元買い介入をストップしている。米中貿易摩擦もあり、元が安くなれば関税引き上げを吸収できるという面があるのは事実だ。ただ中国にとっては一方向の元安になれば資本流出のリスクも伴う。現在1ドル=6.8元台だが、1ドル=7元のレベルまで行くと、資本が流出し株価が下落した2015年頃のチャイナショックを彷彿とさせる。

なので、ある程度のところでは元買い介入に出てくるだろう。止められなくて外貨準備高が減るような事態になれば、チャイナショックの再来となってしまう。なので、中国政府としてはそうした事態に至る前に、米国製品を購入することを約束して、同時に購買力を高めるため、元を高めに誘導するのが好ましい。米中貿易摩擦に関する交渉では、貿易面で中国側が関税の引き上げをできる余地が少ないこともあり、中国はどこかの段階で米国からの輸入を増やすことを約束せざるをえないだろう。

アメリカ側からすると、米中貿易摩擦には貿易赤字の問題と知的財産権の侵害という異なる2つの問題がある。前者についてはどこかに落としどころがあるが、後者については国際的に米国の立場のほうが支持されていることもあって、IT分野での覇権争いは長く続くおそれがある。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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