新型「ジムニーシエラ」乗ってわかった実力 軽自動車「ジムニー」との明確な違いと共通点

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筆者は本題であるジムニーシエラを、山梨県にある本栖湖の周辺国道と裏道を含めて30kmほど試乗した。また、ジムニーシエラ試乗の前には、ジムニーの5MTモデルで未舗装路(クローズドコース)と舗装路(本栖湖周辺)を走行しつつ、別日にジムニーの4ATモデルにも短時間ながら舗装路で試乗している。しかしながら試乗車の都合から、ジムニーシエラは4ATモデルのみであることをお断りしておきたい。

2台の違いは…

さて、違いだが最初に結論を申し上げると、「想像どおりに違いを実感できた部分」と、「意外なまでに共通していた部分」にきっちり大別することができた。

想像どおりに違いを実感できた最たる部分は、エンジン形式の違いからくる走行時のゆとりにある。たとえば信号待ちからスタートする状況を思い浮かべてほしい。道路は平坦路だ。ジムニー、ジムニーシエラとも互いにDレンジにシフトしたまま、ゆっくりとアクセルを踏み込んでいったとする。このとき、アクセルを踏み込んでいる量は最大でも全開から20~25%程度、つまり、前走車の動きに合わせてじんわり、ゆっくり踏み込んでいくといった状況だ。

ジムニーシエラのエンジンルーム(筆者撮影)

ここでのゆとりは圧倒的にジムニーシエラが優勢。具体的にはエンジン回転の上昇に加速度が伴うジムニーシエラに対して、ジムニーはエンジン回転が先行するイメージだ。2車の4ATは1~4速、ならびに後退や副変速機のギヤ比までまったく同じで、最終減速比のみジムニーシエラが20%ハイギヤード化されている。よって、エンジンのパワーとトルクに余裕があるジムニーシエラでは、エンジン回転数を抑えた状態でも必要な加速力が生み出せる。

次に意外なまでに共通していた部分だが、これこそ2車を選択するうえで最も悩ましいところであると筆者には感じられた。それは乗り心地だ。2車では、ワイドトレッド化とタイヤサイズの違い(175/80R16の直径686mm→195/80R15の直径693mm)などにより、“軽快でしっとりとした乗り味”を持つジムニーに対して、ジムニーシエラでは“グッとしなやかな乗り味”になるなど、大きな違いがあるのではと想像していたが、実際には、2車ともに“軽快でしっとり”であった。

次ページ乗り味が大枠で共通しているように感じられた理由は
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