新型「ジムニーシエラ」乗ってわかった実力 軽自動車「ジムニー」との明確な違いと共通点

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操作を妨げる不快な振動はない(筆者撮影)

もっとも、シフトレバーが長いことから前後方向のシフトストローク、左右方向のセレクトストロークともに大きく、シフト操作はカプチーノのように手首の動きだけとはいかない。

しかし、操作を妨げる不快な振動はなく、またシフトゲートの入り口まで持っていくとスッとレバーを吸い込まれるようにシフト操作が行えるなど、毎日の運転が楽しくなることは確認できた。

また、未舗装路では機械式副変速機を「4L」側で走行していたためシフト操作に忙しくなるシーンがあったものの、先の良好なシフトフィールのおかげでシフトミスを誘発しやすい3→2速へのダウンシフトも難なく行えた。

「実はXメンバーを追加したことでシフトレバーにとっても有利な面が生まれました。フレームに5MTのシフトレバーユニットの取り付け部分を1カ所、トランスミッションにも2カ所の合計3カ所とすることでシフトレバーの振動を大幅に低減することができたのです」(前出の野添氏)

パワー不足の声も聞かれたが

市場では、ジムニーシエラの1.5Lエンジンに対してパワー不足の声も聞かれる。しかし今回、筆者が試乗したシーンでは8%の登り勾配路がダラダラと続くシーンにも出くわしたものの、OD(オーバードライブ)スイッチを解除し3速を保持して走行すれば3人乗車でも不満はなかった。

「ジムニーシエラの開発にあたりドイツのアウトバーンにおける推奨速度である130km/h巡航をテストしていますが、まったく不足がないと認識しています」(前出の米澤氏)という。次はじっくり高速道路での試乗のほか、可能であれば5MTも含めジムニーシエラの実力を改めてチェックしてみたい。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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