細かく見れば、カーブの途中で段差や凹みを超えた際の挙動とその収束はジムニーシエラが穏やかで一発で決まるのに対し、ジムニーで同じカーブを同じ速度で走ってみると横方向への加速度が強く収束には余韻が残ることがあった。
乗り味が大枠で共通しているように感じられたことを、ジムニー/ジムニーシエラの開発主査である米澤宏之氏(スズキ四輪商品第二部チーフエンジニア)に伺ってみた。
「スプリングレートやダンパー減衰特性については2車で細かく仕様を変更しています。これはジムニー本来が持っているすっきりとした軽やかさをジムニーシエラでも実感していただくためです」(米澤氏)
伝統のラダーフレーム
伝統のラダーフレームはどうか?
「ラダーフレームは2車とも共通ですが、過去からご好評をいただいている悪路での走破性能をさらに向上させつつ、舗装路での乗り心地を向上させるためXメンバーや追加メンバーを前後に入れています。結果的に体感値としてジムニーの乗り味に従来型ジムニーシエラの美点でもあった、しなやかさが上乗せされたのかもしれません」と語るのは、野添直人氏(スズキ四輪ボディ設計部第二設計課係長)だ。
ジムニーシエラでは筆者にとって未試乗の5MTモデルだが、ジムニーの5MTに乗った印象でいえばジムニーシエラの5MTもオススメだ。
祖母谷聡和氏(スズキ四輪トランスミッション設計部第二課係長)によると、「軽スポーツカーである弊社の「カプチーノ」(1991年~1998年販売)に搭載していた5MTをベースに開発したのが今回の5MTです。実は過去のジムニーにもこのカプチーノの5MTをベースにしたものがあり、当時のお客様からは大変喜ばれました。今回はそうした過去にご好評いただいていた良いところを存分に伸ばし適合させています」という。
実際、その操作性能はとても高く、本格的なクロスカントリーモデルとは思えないほどにシフト操作がカチッと決まる。
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