44歳男性が子持ち女性との結婚を決めたワケ

真剣に結婚を考えた女性も過去にはいたが…

ある週末、彼女の地元駅で待ち合わせをしていたときのこと。河野が改札を出ていくと、正面から幸恵と美和がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。と、河野に気づいた美和が、全速力で駆け寄ってきた。

「“おお、来るな、来るな~”と、思って、オレも受け止めて抱きしめる準備をしていたんですよ。そしたら、腕の中に入る手前でピタッと止まって、オレを見上げてはにかんだ。まだどこか恥ずかしいんでしょうね。でも、そこがまたかわいくて。今は、子どもを真ん中に3人で手をつないで、デートしていることが多いです」

結婚を決めた女性からの「裏切り」

これまで恋愛をしてこなかったわけではない。真剣に結婚を考えた女性もいた。そんな男が、44歳になるまで、なぜ独身でいたのか。“女運がない”という言葉で片付けてしまえばそれまでだか、そこには壮絶な人生のドラマがあった。

「23歳のときに結婚しようと思っていた女がいたんですよ。地元の工業高校を卒業したすぐ後に、友達を通じて知り合った同い歳の子で。5年付き合ったから、そろそろ所帯を持って落ち着こうかなと。いまの仕事に転職したのもそのときです。結婚を考えたら、もっと稼げる仕事についたほうがいいと思ったので」

付き合っていた工藤江美里(仮名)は、外国人の祖父を持つクォーターで、地元の仲間うちでは評判の美人だった。

ある日、地元の仲間の家で江美里も交えて深夜まで集い、夜中の2時に彼女を家まで車で送った。家の前でキスをし、彼女が家の中に入っていくのを見届け、車を発進させようとした。と、そのとき、運転席側の窓ガラスをコンコンとたたく男がいた。何だろうと思いパワーウィンドーを下げると、いきなり顔面を拳で殴られた。シートベルトを締めていたので、抵抗できないまま、そこから何十発も顔面を強打され、車中に血しぶきが激しく飛び散った。

「人って、強烈な痛みを何度も食らうと、痛みに慣れちゃうんですよね。どのくらいの時間殴られていたかも覚えていないんですけど、ひとしきり殴った後にそいつがいなくなったんで、なんとか車を運転して家まで帰ってきたんです。顔面から出ている血を洗い流そうと洗面所に行って、ふっと鏡を見たら、顔がグチャグチャで両頬が陥没していた」

救急車で病院に行き、そこから大手術となった。顔面の皮膚を剥がし、陥没した骨を元に戻し、金具で固定した。そこから1カ月半の入院を余儀なくされた。

次ページ河野を襲った暴漢は…
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